ジム・ジャームッシュ『ミステリー・トレイン』(1989)久々に棚から引っ張り出して観たけど、やっぱりこの映画の工藤夕貴にはお手上げ。キョンキョンではなく工藤夕貴だな。この場合。洗練されていないところがいい。(2013.10.27)
是枝裕和『万引き家族』(2018)
今の時代にしか撮れない映画。カンヌを獲ったということは、このテーマは世界共通の問題か?曲者揃いのキャストの中でも安藤サクラの演技が図抜けていて、リリー・フランキーや樹木希林が喰われちゃってる。拍手喝采の傑作だと思う。それにしても是枝作品には海やモノローグのシーンが多い。トリュフォー好きなのかな?〈2019.6.5〉
ウェス・アンダーソン『ロイヤルテネンバウムズ』(2001)好き過ぎてもう何度観てるか分からない。すべてのキャラクターに愛を感じる。(2016.9.7)
ロマン・ポランスキー『反撥』(1965)
ポーランドを離れ渡英したポランスキーの初期作品で、ドヌーブがサイコな美女を演じる異色作。チコ・ハミルトンの性急かつ暴力的なジャズビートが出口の見えない精神的圧迫感を助長する。「イレイザーヘッド」や「シャイニング」をはじめ、後世の作品にも多大な影響を与えたであろうと容易に想像できる。スムーズなカメラの動きがまた、怖い。ドヌーブの瞳で始まり、瞳で終わる。壁。ウサギの肉。スリップドレス。疲れていないときに観ましょう。〈2013.12.22〉
小谷忠典『フリーダ・カ―ロの遺品 』(2015)
イメージフォーラムにて観賞。死後50年を経て封印を解かれたフリーダの遺品から彼女が生きた痕跡を現出させるべく、写真家・石内都が青の家を訪れるドキュメンタリー。フリーダが身につけたメキシコの民族衣装を追っていくうち、次第に明らかになってくるのはオアハカの地で伝統を受け継ぎながら刺繍を続ける彼の地の女性たちの生きざま。本編でも語られていたが日本の着物が三代に渡って伝承されていく(いた?)ようにメキシコの衣装もまた次の代へ受け継がれていく。乱暴な言い方をするならば「人が死んでも物だけは残る」という感覚。それは残酷であると同時に、物を触媒として人は生き続けるとも言える。
ラストシ―ン。ビアノとドローン(持続音)が交錯する音楽に混じってオアハカの女性が刺繍をする、針が生地を貫くブツリブツリという音。始めはドラムのように聞こえていたこの音が次第にゆっくりとスピードを落とし始めたときに、それはまるで足音のように聞こえてきた。刺繍する母を横で見つめる娘のまなざし。その足音とは、いずれこの刺繍を受け取っていく次代の足音だったのだろうか。〈2015.9.8〉
不安だらけのシリーズ第二回?古いものでは5~6年前のレビューが混じっているので、なかには(いまの自分から見ても)かなり稚拙&青臭いものが含まれているが、そもそもファッションなんて、生き恥をさらすようなものであったりするので、映画の感想文も同様と諦めながらここに公開した次第で(笑)。恥の多い生涯を送ってきました…とは正にこのこと、上塗りをば、いま更に。














