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STORY

スティッキー・○○

ここ一年くらい、ジャストフィットやタイトフィットの洋服に気持ちがシフトしつつある。勿論、ルーズフィットの服はもう着ない!という強い決意があるわけではないし、全身タイトになるわけでもないけど。特にボトムス。冬にSimon Fournierのハイヒールブーツを二色買いしたこともあり、セミフレア、ブーツカット、パイプドステムなど取り敢えずヒップやワタリが細く裾幅が広いパンツばかり穿いている。

で、その気分が最も極端な形で現れたのが最近買ったCLASSのデニムパンツだ。僕が穿いているサイズ2(30インチ相当)で膝幅21cm、裾幅30cmというビッグベルなシルエットだが、ジーンズメーカーのものと違い、ウエストからヒップにかけてのカットにカーブがほとんど無いので、前股上23cmという浅さも手伝って腰回りの拘束感たるやハンパナイ。


上の写真を見ていたら、なんとなくThe Rolling Stonesの代表作『スティッキー・フィンガーズ(Sticky Fingers)』のアルバムジャケットを思い出した。よく考えてみたら(よく考えなくても当たり前だけど)、レコードにジッパーを取り付けるというアンディ・ウォーホルによる歴史的傑作アートワークには、ジップフライのジーンズが必要不可欠だったわけだ。

501はダメで、505でなくてはならなかった。また防縮加工の進化がなければ、あのアルバムジャケットは生まれなかったことになる。ちなみに、このCLASSのデニムはボタンフライだが、トップボタンを含めて2つしか付いていない(笑)。


無意識のうちにコーディネートもウォーホルっぽくなっていたのか?ブレザーにブルーデニム、ピッチドハイヒールのトンガリブーツ。Vゾーンがチェックではなくストライプのパターン・オン・パターンという違いはあるけれど。あと、裾幅が劇的に広い。

17歳の頃、地元の服屋でフレアパンツを買った。UFOの70'sデッドストックでワイン色のベルベット素材だった。ピタピタのTシャツやロングポイントカラーの白シャツ、体に吸い付くリブタートルに合わせていた。自分の中で定期的にやってくるタイト&フレアシルエットの波。ただ、次に気分の波が来たとしても、50代では流石にやらないと思う。周りの人に悪い(笑)。つまり、これが最後のタイト&フレアなのだと思えば、いまこそ存分に楽しみたい。
Satoshi Tsuruta

International Gallery BEAMS Staff鶴田 啓

熊本県出身。1978年生まれ。1996年、大学進学を機に上京するも、法学部政治学科という専攻にまったく興味を持てず、飲食店でアルバイトをしながら洋服を買い漁る日々を過ごす。20歳の時に某セレクトショップでアルバイトを始め、洋服屋になることを決意。2000年、大学卒業後にビームス入社。新宿・ビームスジャパンのデザイナーズブランドを中心に扱うメンズフロア(当時)に配属となる。2004年、原宿・インターナショナルギャラリー ビームスへ異動し現在に至る。アシスタントショップマネージャーとして店舗運営にまつわる全てのことに従事しながら、商品企画、バイイングの一部補佐、VMD、イベント企画、オフィシャルサイトのブログ執筆まで手がける。ワードローブのモットーは「ビスポークのスーツからボロボロのジーンズまで」。趣味は音楽・映画・美術鑑賞、旅行、落語、酒場放浪、料理、服。二児の父。