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STORY

スクール・オブ・○○

仕事の日も休みの日も、一年中何かしらのジャケットを着ている。クローゼットにはそれなりの数のジャケットがかかっているのだが、当然その時の気分によって登場回数が多いものと、そうでないものとに分かれる。僕の最近の気分は「小さい」ジャケット。「細い」ではない。「小さい」だ。

古着の英国製スクールジャケットとRAF SIMONS 2017A/Wのチェックジャケット。どちらもかなり小さめだ。いま、世の中はオーバーサイズ全盛。ピッティ周辺クラシック業界のフィッティングもようやく小さめ&短め一辺倒からユルめに変わり始めたころだ。エディ・スリマンがCELINEで復活したことと関係あるかどうか分からないが、天の邪鬼な僕はここ1~2年ほど逆に小さめが気になっている。

sloan molyneaux&co製のスクールジャケット。タグには「Jacket&Blazer specialists since1919」とある。「Schoolwear&Sports」とも書いてある。普通に制服を作っているメーカーだと思う。サイズ感はUK30くらい?イギリスの中学生サイズか。普段UK36を着る僕からすると3サイズダウンという圧倒的な小ささ。そこそこウェイトのあるメルトン素材なので窮屈なこと、この上なし。

小さいのはジャケットだけ。インナーのニットはロング、パンツはワイドを選びバランスを取る。同じく英国古着のスクールマフラーと合わせて。ちなみに僕がスクールアイテム好きなのは、たぶん中~高の制服が学ランだったからだと思う。ブレザーへの憧れ。無い物ねだり。

一方RAF SIMONSのジャケット。こちらはかなり「計算された小ささ」というか、足りない袖丈もフロントボタンのスタンスも絶妙にアンバランスなバランスを狙っている。これでサイズ48という小ささ。やはりRAFは天才。

Brooks BrothersやRalph LaurenのB.Dがデカ過ぎるからボーイズサイズを探して小さめに着るしかなかった1990年代。Band Of Outsidersが登場し、細くて短くて小さいB.Dをみんなが手軽に着られるようになった'00年代。楽チンで肩肘張らない洋服がもてはやされた'10年代。'80年代の名言「お洒落はガマン」なんてもはや死語だと思われていたけど、久々にガマンしながら洋服を着ている。小さめのサイズをわざわざ着るなんて、動きづらくて仕方がない。体は窮屈。だけど、心はとても自由な気がする。

Satoshi Tsuruta

International Gallery BEAMS Staff鶴田 啓

熊本県出身。1978年生まれ。1996年、大学進学を機に上京するも、法学部政治学科という専攻にまったく興味を持てず、飲食店でアルバイトをしながら洋服を買い漁る日々を過ごす。20歳の時に某セレクトショップでアルバイトを始め、洋服屋になることを決意。2000年、大学卒業後にビームス入社。新宿・ビームスジャパンのデザイナーズブランドを中心に扱うメンズフロア(当時)に配属となる。2004年、原宿・インターナショナルギャラリー ビームスへ異動し現在に至る。アシスタントショップマネージャーとして店舗運営にまつわる全てのことに従事しながら、商品企画、バイイングの一部補佐、VMD、イベント企画、オフィシャルサイトのブログ執筆まで手がける。ワードローブのモットーは「ビスポークのスーツからボロボロのジーンズまで」。趣味は音楽・映画・美術鑑賞、旅行、落語、酒場放浪、料理、服。二児の父。