
このシャワーサンダルがファッションアイテムとしてトップトレンドに踊り出たのは今から2年ほど前かと記憶している。当時(2016-17)は当店・インターナショナルギャラリー ビームスでも RAF SIMONS から VERSACE まで、ハイブランドのシャワーサンダルを取り扱っていた。このブームの更に1年前、トレンド先取り気分で13年前のアディレッタを引っ張り出した僕は、ソックスやスーツに合わせて遊んでいたが、いざ本格的な流行になり街中でシャワーサンダルを見かけるようになってからは静かに靴棚の奥へ再びしまいこんだものだ。つい先日、都内某所の公園にある池で水遊びをするために僕はラスタカラーのアディレッタを再び引っ張り出した。踝まで水に浸かり、子供たちと水を掛け合いながら遊んだ帰り道。「あっ!」遂に左足のストラップがソールから剥がれ分解しまったのだ。パカパカのサンダルを手に持って、裸足で歩いて帰るしかないのか…?と、商店街で買ったお土産用の焼き鳥をぶら下げていた僕は、おもむろに包み紙を留めていた輪ゴムを外し、三本線の上から巻き付けて、なんとかその場は履いて帰ることができた。帰宅後、今では売っていないラスタカラーのアディレッタ(輪ゴム付き)を見つめながら、若い頃に夢中で聴いていた音楽を思い出した。14年も履いたし、思い入れがある。せめてもの供養にブログに書こうと決めた。3日後、輪ゴム付きサンダルを写真に撮ろうと思ったら、ない。ない、ない。何処を探しても、ない。
「捨てたわよ」「えっ?」
妻から見たら単なる古いゴム(輪ゴム含む)の塊。そりゃそーだ。しかし僕にとっては魂のアディレッタ。塊(かたまり)と魂(たましい)。似て非なるもの。「Amvaiの記事にしようと思っていた」ことを口惜しそうに伝えると「あぁ、そりゃゴメン」と妻。

数日後、帰宅した妻が「おみやげよ」とぶら下げていた袋には新しいアディレッタが入っていた。ワインレッドのワントーンで洒落た配色だった。安全地帯でも聴こうか、と思った。














