藤田嗣治が携わった本の挿絵、装丁の原画だったり限定出版(エディション100前後!)されたオリジナルのレア書籍などを大きく3つの時代に分けての展示。エコールドパリ中心のフランス期、一時帰国しての日本での仕事、従軍画家期は省いて戦後フランスでの仕事期とこの流れ。挿絵って素描っぽさが基本で、いわゆる描き込まない、塗り込まないことが前提なんですが、これがFOUJITAにかかるともうれっきとした芸術作品。その必要な余白感を木版やエッチングなどプリミティブなテクニックでふわっと表現しているんです。なぜなら本である以上、もうひとり文章作家という共同作業者がいる訳です。なので絵と文のパワーバランスが重要になると思うんです。引き立てあうとでも言うか・・・。挿絵とは、読者に対し、文字の世界観をさらに飛躍させる、イマジネイションを与える物でなければなりません。なのでFOUJITAのこの辺のバランスが神の領域で、結果、出来上がった本はそれ自体が持ち運べる芸術作品となるんです。

やはりFOUJITAやジャン・コクトーの様な存在自体が洒落ている面々が繰り出す「センス」や「エスプリ」「ユーモア」と言う名のひと筆にはもうため息しか出ません。

かの天才ピカソですら「コクトー達のエコール・ド・パリ チームはいつも賑やかでいいなーっ!」と彼らの遊びのセンスに嫉妬していたなんて逸話もあるくらいですから・・・。(むろん、ピカソの挿絵も最高でした。)

今年の夏休み、我が家は家族でオランダ・アムステルダム、アントワープ・ブリュッセルと美術館&蚤の市巡りに行って参ります。ブリュッセルの駅裏露天マーケットあたりで、そんなFOUJITAのオリジナルの装丁本や挿絵入り雑誌なんかに巡り会わないかな〜なんてね。オリジナルのオーラはシッカリ眼に焼き付けましたので・・・。
目黒区美術館の展示は10日までです。お時間がございましたら是非!オススメです!



















