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STORY

ロワイヤルなスリッパー

英国を代表する老舗シューズブランド Tricker’s。 グッドイヤーウェルテッド製法のカントリーブーツが有名です。マイ・ファースト・トリッカーズも20歳の時に買ったカントリーブーツでした。20年前当時で58,000円だったかな…。「質実剛健な英国靴」というイメージを地で行く Tricker's ですが、実は同ブランドがロイヤルワラント(英国王室御用達)の称号を授かるきっかけとなったモデルは Churchill と呼ばれるベルベットスリッパー=「ルームシューズ」です。

 


そんな名品のパターンオーダー会を International Gallery BEAMS にて開催します。会期は2018年3/23(金)~4/8(日)。アッパーやライニングの色、フロントの刺繍を選択することができるほか、オーダーいただいた方には先着順で英国製レザーノートブックを差し上げます。 世界で自分だけの一足を手にできる絶好の機会となります


10年前に買った Spencer Hart のスモーキング風スーツや Alexander McQueen のダブルカフスシャツに合わせて。このころの Spencer Hart はまだ Chester Barrie 製でした。本格的なスーツの足元をコンパクトに飾ってくれるスリッパー。袖口がカフスに引っかかり、左袖が波打っているのはご愛嬌(笑)…。


現在の英国でロイヤルワラントに認定されるためには「エリザベス女王」「エディンバラ公」「チャールズ皇太子」の三者のうちいずれかに5年以上使用されることが条件のようです。Tricker's の場合はチャールズ皇太子( Prince of Wales )の紋章を授かっています。


この日はオリーブ色のニッカボッカーズと Yohji Yamamoto の白いロングホーズに合わせて。ブラウンのアッパーにキジの刺繍が入ったものは英国貴族のカントリー趣味を思わせます。

刺繍の種類やアッパーの色は他にもバリエーション多数。僕はワインのベルベットにフォックスの刺繍、赤いライニングにしようかと…。当然、フカフカ絨毯の上を歩く訳ではないので、街履き用です。スーツやチェックパンツには勿論、室内履きのリラックスムードを生かしてガウンコートやスウェットパンツ、なんてのも普通に良さそう。トラックスーツに合わせるのもいいですね。個人的には素足履きよりもカラーソックスとのコンビネーションがオススメ。極彩色の 70's ムードで上品かつ下品に。オーダー品のお渡しは秋ごろの予定です。巷のスニーカーヘッズを横目に見ながら、この秋冬は大人を気取ってみましょう。皆様のご来店をお待ちしております。

Satoshi Tsuruta

NEJI Organizer鶴田 啓

1978年生まれ。熊本県出身。10歳の頃に初めて買ったLevi'sをきっかけにしてファッションに興味を持ち始める。1996年、大学進学を機に上京するも、法学部政治学科という専攻に興味を持てず、アルバイトをしながら洋服を買い漁る日々を過ごす。20歳の時に某セレクトショップでアルバイトを始め、洋服屋になることを本格的に決意。2000年、大学卒業後にビームス入社。2004年、原宿・インターナショナルギャラリー ビームスへ異動。アシスタントショップマネージャーとして店舗運営にまつわる全てのことに従事しながら、商品企画、バイイングの一部補佐、VMD、イベント企画、オフィシャルサイトのブログ執筆などを16年間にわたり手がける。2021年、22年間勤めたビームスを退社。2023年フリーランスとして独立、企画室「NEJI」の主宰として執筆や商品企画、スタイリング/ディレクション、コピーライティングなど多岐にわたる活動を続けている。同年、自身によるブランド「DEAD KENNEDYS CLOTHING」を始動。また、クラウドファンディングで展開するファッションプロジェクト「27」ではコンセプトブックのライティングを担当し、森山大道やサラ・ムーンら世界的アーティストの作品にテキストを加えている。