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STORY

反逆のビットローファー

昨今のビットローファーブーム。筆頭は勿論、G社のもの。最近、同社では今後の毛皮使用中止を打ち出していましたが、一昨年大ヒットしたファー付ビットスリッパーもこの先は製造中止なのでしょうか?ともかく、ビットローファーと言えば、個人的にはフランシス・F・コッポラ。サファリルックの足元にG社のビットローファーを履いた70年代のスタイルアイコン筆頭です。
そのビットローファーブームを横目で見ながら「自分のキャラクターでG社はちょっと無理があるなぁ」と思っていた僕。サラッと履きこなすには相当のレベルアップを求められる、そんな靴です。ヴィンテージで探すにしても、年代によって随分顔が違うし。

 George Cox×Dr.Martens のビットローファー。箱付きのデッドストックで入手。 Made in England 。

そんな僕が、最近満を持して引っ張り出したのが Dr.Martens のエアークッションソール搭載、 George Cox のビットローファー。しばらく前に入手したものを、この冬はよく履きました。通常、ビットローファーと言えばボロネーゼ製法で取り付けられた華奢なソールと軽快な履き心地。僕の妻も3~4年前に購入したG社のものを気軽な感じで休日に履いています。畜生。この悔しさをぶつけるには、やはりロンドンカルチャーのアンチ精神がうってつけ。全然軽快じゃない厚底のラバーソール、テカテカと下品に光るアッパー、そして反逆のチェリーブラウン。「コロニアルルックに合わせたスマートなビットローファー」的エレガンスの対極に位置するのが「ゴム製の厚底が付いた不細工なビットローファー」すなわち、僕。何が不細工って、ビットが付いてるのにキルトも付いてるんです。ああ、うるさい。でもキルトが付いてるおかげで、なんとなくフェアアイルのニットベストに合わせてみたり、ちょっと英国趣味を混ぜたスタイリングにうまくノッてくれます。



幅広ラペルの70's調スエードジャケットは15年近く前の HAUTE 、パイプドステムなシルエットのレーヨン混パンツは今季(2017秋冬)買った CMMNSWDN (コモンスウェーデン)のもの。ブーツカットにラバーソールを合わせていた濱マイク役の永瀬正敏よろしく、ボリューミーな足元でこの冬を過ごしました。自分の成人式ではラメ入りのストライプスーツに合わせて恵比寿のア・ストア・ロボットで買った George Cox の代表モデル「 Gibson 」を履いていた僕。70年代インスパイア90年代っ子の恨みは根深いのですよ。イヒヒ。

Satoshi Tsuruta

International Gallery BEAMS Staff鶴田 啓

熊本県出身。1978年生まれ。1996年、大学進学を機に上京するも、法学部政治学科という専攻にまったく興味を持てず、飲食店でアルバイトをしながら洋服を買い漁る日々を過ごす。20歳の時に某セレクトショップでアルバイトを始め、洋服屋になることを決意。2000年、大学卒業後にビームス入社。新宿・ビームスジャパンのデザイナーズブランドを中心に扱うメンズフロア(当時)に配属となる。2004年、原宿・インターナショナルギャラリー ビームスへ異動し現在に至る。アシスタントショップマネージャーとして店舗運営にまつわる全てのことに従事しながら、商品企画、バイイングの一部補佐、VMD、イベント企画、オフィシャルサイトのブログ執筆まで手がける。ワードローブのモットーは「ビスポークのスーツからボロボロのジーンズまで」。趣味は音楽・映画・美術鑑賞、旅行、落語、酒場放浪、料理、服。二児の父。