
また買っちゃいました!ファブリック・フェチとしての心拍メーターが完全に振り切れました。1930年代アメリカ製、通称 SMOKING JACKET の古着、ミントコンディションです。このJKの起源をさかのぼるとエドワーディアンあたりに落ち着くんでしょーか?かのオスカーワイルド先生もしっかり御召しになっておりますし・・・。フロントの組紐ボタンもその頃の名残? Cartier のシノワズリ(アールデコ・ヌーボー端境期の中国趣味ブーム)なんかの流行りの影響もあるのでしょうか?きっと調べればもっと史実が出てくる事でしょう。とにかくこの色艶にはラルフローレン WWL チームやポールハーデンチームですら悶絶必至でしょう!!では、ディテールを見て行きます。

ヴィンテージのお約束なのが完全に一重仕立てであるこの仕様。見返しすらありません。したがって裾や前端、ラペル周りの全ての端にはパイピングコードで処理がされます。それと不思議なのが古着でよく見つかるUSメイドの物はオレゴン州・ポートランドとクレジットが入ってるんです。ペンドルトンなどのウール紡績産地からの流れだと思いますが、部屋着でポートランド製のヴィンテージってむちゃくちゃイメージ&言葉の響きが良いと思いませんか?ゆったりとしたオレゴン魂が注入されてそうで・・・。それと2重織りの生地のカラーがとっても素敵なんです。一重なのでラペル、袖口、パッチポケット口は全て生地の裏(柄面)が出ていて色馴染みも良いですねー。

さらにのディテール&ファブリックのアップです。作られた80年前はそれなりに派手な1着だったかも知れません。しかし時代を経た、かつては派手だった物が『枯れて行く途上の美』に、ただただ見とれるばかりです。また、このJKはサイズが絶妙なんです。広めの肩、小さめのチェスト、ややゆったりした袖幅、軽いAライン・・このあたりでなぜか80’Sビビアンやヨージ、ネメスなんかをボクらの世代は連想してしまうんですよね。毛芯・パットで固めるテーラードとはコンセプトが全く違う、紳士が部屋で煙草の煙をくぐらせながらくつろぐ為だけのJKなんて今や死滅カルチャーっす。今ならこの手の服の役回りはロンハーマンのベアフットドリームのガウンあたりが継承していますよね。コーディネートとしては、英国調なら The DAMNED のデイヴ・ヴァーニアンや帽子屋さんのスティーブンジョーンズ的なパンク男爵、米国調ならカートのパジャマにグランジコーデでしょう。ボロボロデニムとも相性抜群でしたし・・・。てな訳でこの SMOKING JACKET をベースに今っぽくカスタムした新定番作りに取りかかろうと先ほど会議で決まりました。しかし、葉巻をくわえ、ブランデーグラスを持つ天地茂には要注意だな・・・。

















