Fit in Passport に登録することで、あなたにフィットした情報や、Fit in Passport 会員限定のお得な情報をお届けします。

ページトップへ

STORY

古着解体新書シリーズ第1話 1976年公開、映画『タクシー・ドライバー』の衣装にまつわる謎。


以下のレポートは今年の1月早々に個人の Facebook にアップしたものです。こういった映画やミュージシャンの衣装など、有名すぎて知ったつもりになっている事例を細かく検証する、誰が喜ぶんだそんな話?的な「古着解体新書」シリーズを Amvai のこの場を借りてスタートさせていただきます。FB 公開時からはその後発覚した事柄もございますので若干加筆いたしております。それでは第一話スタートです。

『76年公開、映画タクシー・ドライバーの衣装にまつわる謎。』

僕の大好きな映画『タクシー・ドライバー』は今年で公開40周年となります。なので冬休みは今まで疑問に思っていた事、確認したかった事など、時間があった分コマ送り&スロー再生でじっくり堪能いたしました。この40年間に様々な映画評論家、ファッション関係者等が寄稿されておりまが、自分なりに衣装デザイン、サブカル目線からの考察を書かせていただこうと思います。

まずは衣装編(タンカース)について。

そもそもの疑問

①なぜ映画中盤まで時代の合わない第二次大戦期のブルゾンデザインを着せたのか?
②なぜトラヴィスに大きすぎるサイズを着せたのか?
③そもそもこれは正確には WW2の実物タンカースではありませんでした。 これはタンカースのデザインをしたカジュアルブルゾン。
④撮影していた70年代前、中半であれば、オリジナルのタンカースは手当出来たであろうになぜ、民間デザインブルゾンを使用したのか?
⑤不自然な部隊章の意味。

*これが当時販売されていたブランド品なのか映画用に作られた製作物なのかは調査中。

この①〜⑤によりトラヴィスの今まで語られていない人格設定およびちょっとしたトラップがタンカースタイプブルゾンの中にあるのでは??と強く感じております。

以降考察は次回。

>>古着解体新書シリーズ第2話 映画『タクシー・ドライバー』謎解き編。
Manabu Kobayashi

Slowgun & Co President小林 学

1966年湘南・鵠沼生まれ。県立鎌倉高校卒業後、文化服装学院アパレルデザイン科入学。3年間ファッションの基礎を学ぶ。88年、卒業と同時にフランスへ遊学。パリとニースで古着と骨董、最新モードの試着に明け暮れる。今思えばこの91年までの3年間の体験がその後の人生を決定づけた。気の向くままに自分を知る人もほぼいない環境の中で趣味の世界に没頭できた事は大きかった。帰国後、南仏カルカッソンヌに本社のあるデニム、カジュアルウェアメーカーの企画として5年間活動。ヨーロッパでは日本製デニムの評価が高く、このジャンルであれば世界と互角に戦える事を痛感した。そこでデザイナーの職を辞して岡山の最新鋭の設備を持つデニム工場に就職。そこで3年間リアルな物作りを学ぶ。ここで古着全般の造詣に工場目線がプラスされた。岡山時代の後半は営業となって幾多のブランドのデニム企画生産に携わった。中でも97年ジルサンダーからの依頼でデニムを作り高い評価を得た。そして98年、満を持して自己のブランド「Slowgun & Co(スロウガン) / http://slowgun.jp 」をスタート。代官山の6畳4畳半のアパートから始まった。懐かしくて新しいを基本コンセプトに映画、音楽等のサブカルチャーとファッションをミックスした着心地の良いカジュアルウェアを提案し続け、現在は恵比寿に事務所を兼ね備えた直営店White*Slowgunがある。趣味は旅と食と買い物。