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STORY

大阪・冬の陣

2024年の春に引き続き、Bon VieuxとNEJIは再び大阪へ。(大島氏はもともと京都の人なので)僕個人の話をすると、大阪ってこれまでに合計5回くらいは行ったことがある街なんだけど、そこで仕事をするようになったのは、直近1年くらいのこと。前回の印象がとてもよかった(個人主義の東京に比べると人々のコミュニケーションが温かく感じた)のでまた行きたいなぁと思っていたところ、ちょうど別件で京都のイベントに出展する機会ができたので大島氏を「(その予定に合わせて)大阪でポップアップをやりませんか?」と誘ってみたところ快諾してくれた。Bon Vieux×NEJIのイベントがあるとき、いつもであれば都内で告知用ビジュアルを撮影をするんだが、「今回はせっかく大阪まで行くんだから」と考えていたら(よくあるパターンで)NEJIの発作が起きた。そうだ、大阪で撮ろう。衝動的にチケットを取り、気づいたら僕は愛機のSONY α7Cを抱えて東京→新大阪のぞみ313号に乗っていた。






僕の咄嗟の思いつきに乗ってくれたのは大阪在住のネネさん。1年半前に眼鏡屋のルック撮影でもモデルを務めてくれた娘だ。新大阪駅で待ち合わせ、僕が用意していた4体のコーディネートに随時着替えながら市街地でシューティングする。雑多で温かい大阪の風景を撮りたいと思っていたので、天満やなんばの飲食店をはしごしながら撮影を進めるのだが、その工程は食い倒れの疑似デートさながら。1軒目の鉄板焼き屋ではアサヒの大瓶が2本空いた。ネネさんは細い体型の割に、よく食べよく飲む。あと、よく笑う。






お好み焼きを食べ、焼きそばを食べ、串カツを食べ、クレープを食べ、撮影が終わって打ち上げ代わりにもう一度なんばで串カツを食べた。この半日の間にふたり合計でビール2本、チューハイ10杯くらいは飲んだんじゃなかろうか。撮影中に飲む酒量ではない。カメラマンの僕はともかく、ネネさんも特段酔っ払ってはいなかったと思う。




天満の細い路地で撮影していると、後ろからママチャリの気配。すぐに気付いて「どうぞ」と道をあけると「ありがとう〜」と言いながらおじいちゃんが通り過ぎた。道を塞いでしまわぬように気をつけなければならないのはこちらの方で、僕はおじいちゃんの後ろ姿を見ながら「こちらこそ」と呟いた。やっぱり、なんだか温かい。






それにしても、大阪。東京並に外国人観光客が多い。特に18時台の道頓堀〜グリコサイン付近は旧正月中の渋谷に負けないくらい彼らでごった返していた。なんだか、こちらの方が外国に来ているような気分になる。そんな錯覚も含めて(日帰りの大阪とはいえ)旅はやっぱりいいもんだ。突然の思いつきで決行したワンオペの撮影だが、仕事とは思えないくらい楽しい1日だった。8:51に東京を出て、22:43に東京に帰ってくる突貫スケジュール。0:00前に帰宅してすぐさまノートPCの蓋を開け、さっき撮ってきたばかりの500枚の中からセレクトとレタッチを始めている自分の姿がなによりもその楽しさを物語っていた。ありがとう、大阪。来月にまた行きますので、そのときにお会いしましょう。

本イベントは、Bon Vieux×NEJIのネイビー&ストライプブレザー、ATKINSONSのネクタイ、KINLOCH ANDERSONのウールタイ&マフラー、F.lli Giacomettiのレザーシューズ、DKCのジャケット&トラウザーズ他、僕らが自信を持ってお勧めするアイテム群を首都圏以西のお客様に見て頂ける数少ない機会ですので、是非とも足を運んでみてください。お待ちしております。

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 Bon Vieux&NEJI POP-UP STORE in OSAKA 2025「大阪の陣」
会期:2025年1月17日(13:00~19:00)、18日(11:00~16:00)
会場:大阪市中央区北浜東1-17 北浜東野村ビル4F 北号室

 
MODEL :NENE
PHOTOGRAPHY :NEJI
STYLING/DIRECTION/EDIT :NEJI

Satoshi Tsuruta

NEJI Organizer鶴田 啓

1978年生まれ。熊本県出身。10歳の頃に初めて買ったLevi'sをきっかけにしてファッションに興味を持ち始める。1996年、大学進学を機に上京するも、法学部政治学科という専攻に興味を持てず、アルバイトをしながら洋服を買い漁る日々を過ごす。20歳の時に某セレクトショップでアルバイトを始め、洋服屋になることを本格的に決意。2000年、大学卒業後にビームス入社。2004年、原宿・インターナショナルギャラリー ビームスへ異動。アシスタントショップマネージャーとして店舗運営にまつわる全てのことに従事しながら、商品企画、バイイングの一部補佐、VMD、イベント企画、オフィシャルサイトのブログ執筆などを16年間にわたり手がける。2021年、22年間勤めたビームスを退社。2023年フリーランスとして独立、企画室「NEJI」の主宰として執筆や商品企画、スタイリング/ディレクション、コピーライティングなど多岐にわたる活動を続けている。同年、自身によるブランド「DEAD KENNEDYS CLOTHING」を始動。また、クラウドファンディングで展開するファッションプロジェクト「27」ではコンセプトブックのライティングを担当し、森山大道やサラ・ムーンら世界的アーティストの作品にテキストを加えている。