Fit in Passport に登録することで、あなたにフィットした情報や、Fit in Passport 会員限定のお得な情報をお届けします。

ページトップへ

STORY

ブロー・アップ・現代社会

ブロー・アップ(blow up・英)には、「爆発(爆破)する」「激怒する」「ふくらむ(ふくらませる)」「(写真を)引き伸ばす」などの意味がある。このうち最後の意味から派生して、テレビドラマやアニメ用のフィルムを映画館上映用にトリミングするという意味もある。またはジャズ演奏の意味もある。blow と up を分かち書きすると動詞形であるが、ハイフンで結んだりつなげて書くと名詞形となる。(Wikipediaより)


レイト60'sの狂騒も、70'sマカロニ・ウエスタンの歪曲も、80'sヒップホップの雑食的DIYも、90'sストリートが持つ悲しみと背中合わせのチャラさも、00'sトライブが抱える内向性も、すべての「面」は個人的な「点」の集積からその形を成しているはずだ。ひとつの街にいくつもの顔があるように。

テンガロンハットとローリング・ストーンズとTLCが交錯する点、すなわち池袋西口のカセットデッキから発火する、BLOW-UP。歴史へのリスペクトを忘れず、しかし同時代の機微を見逃すな。国とディケイドで括りたがる編集制度におさらば。作られた名詞を粉砕し、再び動詞に還すのだ。時代の中で態度を洗え。他人のトリミングに囚われるな。人為的な分断を再び切り裂け。最も個人的なことこそが、最も普遍的である。

NEJIによるブランド・DEAD KENNEDYS CLOTHINGが展開するのはNEJIの妄想を形にしたエレガントでエキセントリックでパーソナルなドレスアイテム群。いまこそ、激怒せよ。まさに我が身に向けて。








なんて。

僕にとっては普段使いの飲み屋街、人によっては00年代を代表するドラマ「IWGP」の街。=池袋駅西口を駆け抜けながら撮影したDEAD KENNEDYS CLOTHING 2024 Pre-Summer Collectionのイメージルックは、静と動を駆使したスピード感溢れる仕上がりになった。とはいえ、時代の流れもまた、おそるべきスピードである。もっとも、しがみつく必要なんて初めからないんだけど。




ソウルフルなロックシンガーって感じのModouくん、ラジカセ担いだなんちゃってウエスタンのヤス、チャラチャラした90’sオマージュの島ちゃん。用意したコーディネートが、みんなとても良く似合っている。池袋の街並みにも。そして、本作に登場する新型2Bジャケット・DK06<Activities (課外活動) >とベルトレスフレアトラウザーズ・DK07<Explosion Part2 (第二の爆発) >、2Bジャケット+ホットパンツの変態スーツ・DK08<The Sugar(砂糖)>は2024年5/24(金)・25(土)に高円寺・ROKUMEICAN前で開催されるマーケット「アンド・アイ・ラブ・ハー」内で発売予定。乞うご期待、でっす。Blow up your mind。

Satoshi Tsuruta

NEJI Organizer鶴田 啓

1978年生まれ。熊本県出身。10歳の頃に初めて買ったLevi'sをきっかけにしてファッションに興味を持ち始める。1996年、大学進学を機に上京するも、法学部政治学科という専攻に興味を持てず、アルバイトをしながら洋服を買い漁る日々を過ごす。20歳の時に某セレクトショップでアルバイトを始め、洋服屋になることを本格的に決意。2000年、大学卒業後にビームス入社。2004年、原宿・インターナショナルギャラリー ビームスへ異動。アシスタントショップマネージャーとして店舗運営にまつわる全てのことに従事しながら、商品企画、バイイングの一部補佐、VMD、イベント企画、オフィシャルサイトのブログ執筆などを16年間にわたり手がける。2021年、22年間勤めたビームスを退社。2023年フリーランスとして独立、企画室「NEJI」の主宰として執筆や商品企画、スタイリング/ディレクション、コピーライティングなど多岐にわたる活動を続けている。同年、自身によるブランド「DEAD KENNEDYS CLOTHING」を始動。また、クラウドファンディングで展開するファッションプロジェクト「27」ではコンセプトブックのライティングを担当し、森山大道やサラ・ムーンら世界的アーティストの作品にテキストを加えている。