DK03とDK04は共生地でセットアップするとスーツ、<DK06Fear of the Earl(伯爵の恐れ)>になる。写真上の3体は全く同じグレーフランネルを使用したもの。着る人のキャラクターやコーディネート、裾上げのバランスなどで三者三様に変化している。
日暮里の問屋街で見つけたブラウンのウーステッド生地でもスーツを作ってみた。インナーに着ているのは、たっぷりとしたボリュームのプルオーバーロングシャツ・DK02<Long Good-Bye, Good Bye(さよなら、ロング・グッドバイ)>。
DK02<Long Good-Bye, Good Bye(さよなら、ロング・グッドバイ)>はロングシャツとしてもワンピースとしても着ることができる。男女兼用、という言葉は(今の時代では)大した意味を成さないのかもしれないが、しかしそれはそれであるとも思う。
NEJI=鶴田が手がけるブランドらしく、アイテムのほとんどは柄物。コーディネートもパターン・オン・パターン多め。アフリカンバティック×ファンシーツイードなんて、なかなかお目にかかれない雑然とした組み合わせだと思う。しかし「自分が好きなアイテムを作り、組み合わせは後から考える」というくらい行き当たりばったりなクリエイションでも、なんとかなるものだ。本ルックのモデルを務めてくれたのはマッドテーラー・信國大志氏、伊藤亜和/モドゥバッケ姉弟、古着屋のやす君、そしてNEJI主宰・鶴田。
以下、『ねじ店』の会期や会場に関するインフォメーション。
・・・・・・・・・・
『ねじ店 2023』
12/10(日)13:00〜19:00
東京都墨田区菊川3-7-11
立ち呑み屋 しろ
都営地下鉄新宿線「菊川」徒歩2分
12/11(月)13:00〜19:00
東京都新宿区水道町1-9 しのぶ荘104
Atelier Mon Oncle
東京メトロ有楽町線「江戸川橋」徒歩5分
初日は墨田区の映画館・Strangerの隣りにある昭和な立ち呑み屋『しろ』にて開催します。ウェルカムドリンクとしてホッピーなどをご用意する予定です。二日目は編集人・山下英介氏のアトリエ『Atelier Mon Oncle』へ会場を移します。二日目限定の商材もございます。初御披露目となるDead Kennedys Clothingの各アイテムにご期待頂ければと思います。「(ホッピーを)飲む・(鶴田が採寸し、ピンを)打つ・(洋服を)買う」の三拍子揃ったポップアップストアへ、是非お越しくださいませ。
※エコバッグなどのショッパーをご持参頂けると助かります
※泥酔客お断り
※ホッピーはおひとり様2杯まで
※狭い店内のため、混雑時は隣のStranger Cafeなどでお寛ぎください
※近隣住民のご迷惑にならぬようご配慮ください
※時間に余裕を持ってお越しください
※当日販売するものにはアンフィニッシュのジャケットやパンツも含まれるため、お直し後のお渡しとなるものがあります
・・・・・・・・・・
ねじ(螺子、螺旋、捻子、英:screw)。
それは円筒や円錐の面に沿って
螺旋状の溝を刻んだ固定具である。
ねじは別々の物を繋ぎ合わせるために用いられる。
また、回転運動を直線運動に変換する意味で
釘(くぎ)とは決定的に異なる性質を持っている。
右に回転する。左にも回転する。
緩める、締め上げる。
力加減で作用が変わる。
頭にはプラスとマイナスが刻み込まれている。
動力にもなるけれど、巻き過ぎるとバカになる。
天才児として生まれたバカボンのパパは、
くしゃみした拍子にねじを一つ口から吐き出して、
圧倒的な「これでいいのだ!」状態になった。
バカボンのパパにとって吐き出したねじとは、
無くしてしまった大事なものなのか。
今も探し続けているものなのか。
初めから必要のないものだったのか。
企画室「NEJI」はファッションを中心に、
美術、写真、テキスト、映画、音楽、生活…。
似ているようで異なるものを繋ぎ合わせる。
「これでいいのだ!」と未だに達観できない僕は、
今日も心の中でねじを回し続けている。
それは考えるねじである。
2023年は僕にとって、巻きすぎてバカになる寸前までねじを巻いた年でした。忘年会とは言いませんが、ホッピーでも飲みながら今年を振り返りつつ、2023年と2024年についてお話ししましょう。皆様のお越しを心よりお待ちしております。店主軽薄、もとい店主敬白。
2023年12月12月5日
NEJI主宰 鶴田 啓
1978年生まれ。熊本県出身。10歳の頃に初めて買ったLevi'sをきっかけにしてファッションに興味を持ち始める。1996年、大学進学を機に上京するも、法学部政治学科という専攻に興味を持てず、アルバイトをしながら洋服を買い漁る日々を過ごす。20歳の時に某セレクトショップでアルバイトを始め、洋服屋になることを本格的に決意。2000年、大学卒業後にビームス入社。2004年、原宿・インターナショナルギャラリー ビームスへ異動。アシスタントショップマネージャーとして店舗運営にまつわる全てのことに従事しながら、商品企画、バイイングの一部補佐、VMD、イベント企画、オフィシャルサイトのブログ執筆などを16年間にわたり手がける。2021年、22年間勤めたビームスを退社。2023年フリーランスとして独立、企画室「NEJI」の主宰として執筆や商品企画、スタイリング/ディレクション、コピーライティングなど多岐にわたる活動を続けている。同年、自身によるブランド「DEAD KENNEDYS CLOTHING」を始動。また、クラウドファンディングで展開するファッションプロジェクト「27」ではコンセプトブックのライティングを担当し、森山大道やサラ・ムーンら世界的アーティストの作品にテキストを加えている。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。