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STORY

GUIDIを洗う

GUIDIの名作ブーツ「PL1」。二年半前にブラックとブラウンを二色買いしてからというもの、まさしくスニーカーの如く僕はこの靴をほとんど毎日のように履いていた。履きすぎたせいか歩き方がアホなのか、ブラックの方は一年半でヒールが斜めに削れてきたので修理ついでにソールの前半分とかかとにラバー(GUIDIの現行品にはウロコ状のVibramソールが付属している)を貼ってみたところ、グリップ力とクッション性が驚くほど向上したため、僕はますますアホのように「PL1」を履くようになった。昔は「靴底にラバーを貼るなんて邪道、美しくない!」なーんて頑なだったけど、この靴に関しては貼って正解だったなぁ。

ほんで、相変わらずガシガシ履くもんだから、次はアッパーが変化してきた。着脱しやすいし履きやすいからコンビニに行くときもGUIDIに足を突っ込んで出掛けていたくらい異常に履いていたので、そりゃそうだ。

僕は足がデカい。「PL1」はsize43、イギリス靴はsize9~9 1/2。加えて幅広、甲高。大抵の靴は履いているうちにアッパーの小指部分が出っ張ってくる。僕の小指の形に。GUIDIの革はとりわけ足に馴染みやすいから、なんかブーツが僕の足の形になりすぎているようで、一度リセットしてみたいと思うようになったのだ。ある晴れた日に「天気いいし、風もあるし、GUIDIを洗ってみようかな」という直感を行動に移した。さっそく庭先でバケツにぬるま湯を貯めて、手持ちにあった「スエード&ヌバック用」のシャンプーでじゃぶじゃぶ洗う。

すすいだあとは中に新聞紙を詰め込み水分を吸わながら、直射日光を避けた場所で干す。この日は気持ち良い風が吹いていたので「PL1」は直ぐに乾き始めた。

あらかた乾いたところで新聞紙を抜き取り、手持ちの中で一番合いそうな木製のシューツリーを突っ込む。普段はあまり手入れしなくても大丈夫なGUIDIの革だけど、さすがにシャンプーしたらカサカサになりそうだったので、乳化性デリケートクリームを薄く入れて、アッパーの形をなんとなく手で整える。

しばらく放置したあと、湿ったシューツリーを抜き取り、中まで風を通しながら完全に水分を飛ばす。ついでにソールのエッジ部分をコバインクで黒く塗って整えた。

中まで完全に乾いたら、もう一度シューツリーを突っ込み、SAPHIRのクリーム(無色)を全体的に乗せて、乾拭きとブラッシング。僕は靴を光らせるのが好きじゃないので、ある程度、適当に。最後にTAPIRの防水スプレーを全体に振ってもう一度乾拭きして、終わり。で、写真(上)のとおり、出っ張っていた小指部分も戻ったし、全体的にシャキッとした。ということで、綺麗に甦った靴を張り切って履くのは恥ずかしいから(?)まずは雑に、コンビニにでも履いていこうかな。

Satoshi Tsuruta

NEJI Organizer鶴田 啓

1978年生まれ。熊本県出身。10歳の頃に初めて買ったLevi'sをきっかけにしてファッションに興味を持ち始める。1996年、大学進学を機に上京するも、法学部政治学科という専攻に興味を持てず、アルバイトをしながら洋服を買い漁る日々を過ごす。20歳の時に某セレクトショップでアルバイトを始め、洋服屋になることを本格的に決意。2000年、大学卒業後にビームス入社。2004年、原宿・インターナショナルギャラリー ビームスへ異動。アシスタントショップマネージャーとして店舗運営にまつわる全てのことに従事しながら、商品企画、バイイングの一部補佐、VMD、イベント企画、オフィシャルサイトのブログ執筆などを16年間にわたり手がける。2021年、ビームス退社。東京・外苑前のセレクトショップMANHOLE内にある企画室「NEJI」(https://manhole-store.com/neji )の主宰としてバイイング/販売はもとより、執筆や商品企画、コピーライティングなど多岐にわたる活動を続けている。また、クラウドファンディングで展開するファッションプロジェクト「27」ではコンセプトブックのライティングを担当し、森山大道やサラ・ムーンら世界的アーティストの作品にテキストを加えている。