
展示会直前ではございましたが、はやる気持ちを押さえきれず行ってきました山梨県は南アルプス白州&清里! 目的は整備納車の完了したカングー2002年製1.4Lの走行テストをメインに、現地に行かねばありつけない噂のスイーツや新品種のフルーツなどを少々とこんな感じ。
写真ではなんとも新車の如き輝きですが、現車は流石に20年落ちの個体、いい感じにヤレております。前回当amvaiで書かせていただいたフレンチのプラスチッキー魂はこのカナブン色のカングーでも遺憾無く発揮されておりまして、リヤのウインカー周りの赤&ピンクなんぞ最高の劣化感!狙っても出せない、風雪に耐えたプラスチック樹脂ならではの枯れ感です。ホイールも昭和のパトカーでお馴染みの通称『テッチン』をマットブラックに塗装、それに新品のミシュラン・エコタイヤを装着いたしました。なかなか凛々しい男っぽい雰囲気に仕上がりました。
カングーといえば日本にとって車格が絶妙だったことと、レジャー用途の幅がいきなり広がったミレニアム直後のアウトドアブームに思いっきりリーチしたルノージャポン最高売り上げの品番だそうで毎年全国の愛好者が集会を開くほどの人気物なのだそうです。ただ、ボクはと言うと、興味があるのがこの2002年製の顔プラスその後の数年までの、通称コカングーまでで、この期間のプロダクトは当時大流行のユーロデザインをギリギリ感じるんですよねー。オランダのdroog designとか皆さん覚えていらっしゃいますか?ちょうど世紀末からミレニアムにかけてのデザイナーズブーム、ありましたよね?スタルクとかね。その辺のファニーデザインの系譜に思いっきりカーデザイン界で乗っかったのがルノーの初代トゥインゴで、一瞬にしてフランス中が眠そうな目のトゥインゴだらけになったのをパリ出張時に感じたことを記憶しております。
あの流れを最後に拾ったのがこの2002年1.4Lカングーのデザインだと思うんです。この後は資本の関係からなのか日産車とルノーはデザイン的にクロスオーバーさせることが多くなりフランス的変態デザインがちょいと曖昧になり、いつしかカングーは大きくなり、ファミリー向けのハートフルなファニーフェイスと進化して行ったのでした・・・。日本のニーズがそこでしたのでもちろん異論はございませんが、わざわざリスクを持って買う最小装備のフランス車、デザイン突き抜けフランス車の歴史もグローバルの名のもとに輪郭がボケてしまったような気がします。なので、ボチボチ電化カングーなんて新ラインの準備が整いつつある今、あえてのカングー事始め初代モデルをAUBERGE運搬担当といたしました。
そして気になるその走りは!ウワサ通りでございました。1.4Lではアンダーパワーこの上なし。上り坂では最高速50キロくらいしか出ません。すぐに1.6Lに切り替わった理由がここにあります。最も悩ましいのがオートマミッションで、マニュアル大国フランスが小手先で作ったと揶揄される4速AT,本当に謎の動きをいたします。それこそマニュアル車に乗っているような露骨なギアチェンジ、過剰なエンジンブレーキを繰り返す滑らかさの全く無い生粋のフランス製ミッションなのでした。どうせならここで日産のノウハウを注入すればいいのになんでノートからの乗り換えのボクとしては想うのでした。じゃあなんでそんな修行的自動車に喜んで乗っているのかと言うと、やはりそのフォルム、デザイン、サイズ感に余りある魅力を秘めております。通勤使いでハイオク燃費5L代にいつしかイラッと来るかもしれませんが、いやいや飽きることのなさそうなこのデザイン&積載能力を暫し堪能したいと思う次第でございマス。



















