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STORY

良識ある大人とロックファッションの整合性をカート・コバーンから学ぶ。



大人の階段をあまり順調にとは言い難いペースで登り続けてはや54年、だいぶ一般的なアラフィフ世代とは距離をとったファッション嗜好にて成熟を続けております。皆様、お元気でしょうか?今回、カート・コバーンの1993MTVアンプラグドで着用していた伝説のモヘアカーデガンを究極のベビーアルパカで再現するプロジェクトをAUBERGEで行います。アラフィフのロックファッション、これむづかしいんですよねー。

若い体が入るから許されるチープさって確実にあって、じじいが頑張ると年寄りの冷や水とか昔取った杵柄なんてネガティヴな言葉が踊り出しちゃうんですよねー。特にパンク、グランジ系は鬼門でむやみに手を出すと火傷必至です。ポール・ウェラーのフレンチ感やスティングのモッズくらいならまだ目に優しいかもしれません。当時を知る現役世代だからこそのマウントポジション、俺が着方を教えてやる的なスタンスからのどんずべりって自分では気づかないものです。そんなマインドで渋谷、原宿に行ってはいけません。

なのでここだけの話、表題のカートなカーデを超絶ベビーアルパカで作ってみました。今の連中には絶対に秘密です。こっそりさりげなく、意識していることを悟られない様に・・・そんな1着を企画してみました。
Manabu Kobayashi

Slowgun & Co President小林 学

1966年湘南・鵠沼生まれ。県立鎌倉高校卒業後、文化服装学院アパレルデザイン科入学。3年間ファッションの基礎を学ぶ。88年、卒業と同時にフランスへ遊学。パリとニースで古着と骨董、最新モードの試着に明け暮れる。今思えばこの91年までの3年間の体験がその後の人生を決定づけた。気の向くままに自分を知る人もほぼいない環境の中で趣味の世界に没頭できた事は大きかった。帰国後、南仏カルカッソンヌに本社のあるデニム、カジュアルウェアメーカーの企画として5年間活動。ヨーロッパでは日本製デニムの評価が高く、このジャンルであれば世界と互角に戦える事を痛感した。そこでデザイナーの職を辞して岡山の最新鋭の設備を持つデニム工場に就職。そこで3年間リアルな物作りを学ぶ。ここで古着全般の造詣に工場目線がプラスされた。岡山時代の後半は営業となって幾多のブランドのデニム企画生産に携わった。中でも97年ジルサンダーからの依頼でデニムを作り高い評価を得た。そして98年、満を持して自己のブランド「Slowgun & Co(スロウガン) / http://slowgun.jp 」をスタート。代官山の6畳4畳半のアパートから始まった。懐かしくて新しいを基本コンセプトに映画、音楽等のサブカルチャーとファッションをミックスした着心地の良いカジュアルウェアを提案し続け、現在は恵比寿に事務所を兼ね備えた直営店White*Slowgunがある。趣味は旅と食と買い物。