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服好きのための肌着BVD 、肌着とTシャツの狭間に

白いTシャツ1枚で外に出れなくなったのはいつからだろう? 確か僕が高校生の頃までは、「ヘインズの白Tシャツにリーバイス501、コンバースオールスターが似合うさわやか男子が一番ステキ♥」( mc sister 調べ)・・・だったはずだ。そう、たとえば吉田栄作や加勢大周みたいな。実際のところ僕自身も90年代初頭までは、当時まだアメリカ製だったヘインズのパックTを、普通にアウターとして着ていた記憶がある。しかし今これらを着てみると、残酷なまでの乳首のスケ感に驚愕する。こんな極ウス生地の白Tで女子とのデートに赴いていたなんて、もはや正気の沙汰とは思えない。アキラ100%級だ。 YouTube で見る往時の吉田栄作の姿は、あまりに無防備すぎてなんだか愛おしささえ覚えてしまうほどである。
写真はそんな白T全盛期である1990年に手に入れた BVD のロングTシャツ。何を隠そう、僕の母上が「加勢大周がこんなの着てたから」と買ってくれたものだ。そういえばクルーネック派の吉田栄作に対して、加勢大周はヘンリーネック派だったような気がしなくもない。こいつにエドウインの「ロンドンスリム」を合わせ、加勢大周を気取っていた天パ&ニキビ面の14歳・・・。笑うなかれ。これこそが正しき中二の姿でしょうが!
数年の着用ののち、〝肌着落ち〟した僕の BVD だが、こいつが日の目を見た時期がもう一度だけある。2001年〜2002年頃、 go-getter あたりの古着屋スタッフの方々を震源地に(でしたよね?たぶん)、こんなアンダーウエアにサイズアップしたブーツカットデニムや側章入りのタキシードパンツを合わせ、足元はビッグサイズのオールスター・・・なんて着こなしがちょっと流行ったのだ。アーリー90’sは清潔感の象徴だった白Tシャツは、この時代ではちょっと薄汚い古着がアリとされていて、不良っぽいクールなイメージを放っていた。肌着としての着用によってボロボロになった BVD はそんなスタイルにちょうどよくフィットして、なんだか誇らしかったのを覚えている。まだ実家住まいだったから、母上には「そんな汚いシャツ着て・・・」と怒られたものだが。
さすがに僕ももう40を超えているし、おそらくこれから先の白Tブームに〝乗る〟ことはもうないだろう。 BVD も27年間着倒してもう白どころか真っ黄色。肌着としてもそろそろ寿命である。そんなオジさんだが今のヤングたちにひとつだけ言わせてくれ。白Tの下にタンクトップを着るのだけはやめてもらえないか? 若者よ、乳首スケを恐れるなかれ。