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外国人にウケる、日本のファッション&アイテム。Souvenirs from Jimbocho

インバウンド景気とやらも落ち着いてきたと思われる今日この頃ですが、観光地に行けばまだまだ海外からの旅行者でいっぱい。渋谷や銀座に出かけてみれば、周りの半分は外国人じゃないの!?というアウェー感におそわれます。最近行っていないけれど、浅草とか秋葉原とかもっとすごいんだろうなあ。そう言いながら、ぼくの古本屋がある神保町もいわゆる “観光地” といっていいところ。“ UKIYO-E ” のようなイカニモ JAPAN な紙モノを探しに来る方や、“ Kawabata ” や “ Mishima ” などの日本文学ファン、あるいは各々の国の言語で書かれたレア本を探しに来られる方など、海外からのお客様が絶えません。
ありがたいことに、ぼくの店にも毎日多くの外国人がいらっしゃいます。どういったものをお買い求めになられるかというと、やはり「原宿ストリート」なカラフルな雑誌たち。『 FRUITS 』や『 TUNE 』などのストリートスナップ雑誌は、基本写真のみで日本語解読の必要もなく、非常に人気です。かつての “ Lolita ” や “ Decora ” のイメージを求めて原宿を彷徨いそして失望された方々には、その夢想する “ KAWAII TOKYO ” が詰まっていると言えるでしょう。
そしてそれらと同じくらい人気なのは、COMME des GARÇONS 、 Yohji Yamamoto などの日本のカリスマブランド関連本です。ギャルソン発行のヴィジュアルブック『 Six 』なんて、昔は案外出回っていたものですが、ここ数年は入荷の度に海外のファンもしくは古書バイヤーの方がお求めになり、もうずっと在庫が枯渇しています。その他写真集、カタログ類はもちろん、つい最近の特集本などもすぐに売れてしまうので、“ Sorry...No Stock ” な毎日なのです。しかしウチの強みはなんといっても雑誌。他の単行本・ハードカバー中心の古書店には出せないブツがあります。これ、我々以上の世代には至極当然な事なのですが、70年代後半から80年代半ばくらいのマガジンハウス等の雑誌には川久保さんや耀司さんが割とちょくちょく載っているわけです。川久保さんなんて、90年代以降はモード誌にだってほとんど顔を出さないわけで、今や “ SEX 特集” や “韓流スター” なイメージの『 anan 』にてその御大の姿が見られるなんて、日本人でも若い方やハイファッションに傾倒する方々には盲点だったりするのです。海外の方だったら尚更で、若かりし頃の川久保玲女史の掲載誌なんかを見せたらたいへん喜んでいただけます。
日本人も同様ですが、ネットを通じて多くの情報が世界中に拡散される一方で、どこへ行っても事前情報や固定観念に縛られがちになってしまいがちかと思います。店として、お客様の “期待通り” のものを揃えつつ、是非とも新しい “発見” を提案できたらと思っています。