正直にいうと、銭湯通いが続いていたころ、この薄手の手ぬぐいこそが最高のパフォーマンスを発揮してくれるタオルだと確信した。一般的なパイル状のタオル、とくに産地を謳ったタオルのふわふわ感は気持ち良いが、そのタオルで石鹸を付けて体をゴシゴシやるか?といわれると「?」だし、一度しっかりと濡れたタオルを固く絞って体を拭く頃には、ふわふわの「ふ」の字も無い。であれば、こと銭湯においては、手ぬぐいの使い勝手の良さに軍配があがる。石鹸を付けたときの泡立ちの良さ、体を洗うときにかさばらない、布が2枚重ねなので体の水分をすばやく吸収、そして2枚重ねの生地の間に空気が含まれるためにすぐ乾く、ぎゅっと絞るとコンパクトになるという良いことづくし。最近、銭湯に行く回数は減ったが使い勝手の良い手ぬぐいは家で使用している。衛生上いかがなものかと思うけど、手ぬぐいは洗濯しない。お風呂上りにぎゅっと絞り、風通しの良いところでカラッと干し上がった手ぬぐいは、ほのかに石鹸の匂いと綿素材特有のパリッとしたざらつき感がまた心地良い。
ところで、この手ぬぐい、模様のついた表地とガーゼ素材の2枚重ねになっており、4方をミシンで縫い合わせている。これが、正統な製法で作られた手ぬぐいかは知らない。昨日も都内某所で同じ手ぬぐいを購入した。コンパクトな手ぬぐいとは、別に“湯上り”という大判の手ぬぐいを発見。“湯上り”というネーミングは良いが、使い勝手はどうだろうか。
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