MEN’S Precious 夏号で高田賢三さんのインタビュー記事を掲載した。ご本人は現在パリ在住なもので、現地のエディターさんにご担当いただいたのだが、先方から届いたアーカイブ写真はどれも華やか、かつ刺激的なものばかりなので、ぜひとも誌面でチェックしていただきたい。
さて、本特集の中で、僕が最も気に入って扉で使わせていただいたのがこの写真。年代は1980年代前半。クリストファー・ベイリーが撮影したものである。肩パッド入りのダブルブレストジャケットに、パンツは超テーパード。そう、上も下もバリバリに現在の気分なのだ! こちらはモノクロ写真ゆえ色は判別できないが、他の資料を調べたところ、スーツはピンクっぽいオーバーペーンが入った英国調のグレンプレイド。シャツは白。ネクタイは赤白のストライプ。 Vネックニットは赤。靴下も赤。靴は黒かこげ茶・・・といった具合。クラシックにしてエキセントリックで、もうメチャクチャお洒落なのだ。特にパンツは素晴らしく、ここまでのテーパードは珍しい。この写真だけでは裾の仕様がよくわからなかったのだが、おそらく外側にジップかストラップがあしらわれているのだと思われる。こんなスーツ、今どこにも売ってないよね。もう、ビスポークしちゃおっかな?
なんて思っていたときに、自分が去年 HAVERSACK に注文していたリネンのスーツが、こいつによく似ていたことを思い出した。いわゆる1930年代調のニッカポッカスーツなのだが、パンツの裾はたくし上げず、おろしてはく仕様なので、急激なテーパード具合がちょうど KENZO 的なのである。僕が着るとこういう軽快なムードはまったく望めないのだが、これは悪くない。
高田賢三さんはもうメンズファッションはつくらないだろうから、 HAVERSACK さんには、ぜひとも秋冬生地でも展開してほしいものである。
夏のメンズファッション コーディネートハバーザックのKENZO的スーツ
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