そうなると、もしかしたら、もしかしたら・・・歴史の闇に葬られていたコイツらの出番が来たのかもしれない。そう。国産ジーンズの帝王ことエドウイン様の「インターナショナルベーシック」シリーズである。(写真は『POPEYE』1988年4/6日号より)
右から「アメリカンクラシックジッパー」「アメリカンクラシックS—ボタン」「イタリアンクラシック」「フレンチクラシック」「ロンドンクラシック」「スーパーニュートン」「ニュートンスリム」「クラシックストレート」「アメリカンベーシック」「ロンドンスリム」「スーパーロンドン」と、いずれ劣らぬ猛者ぞろい。ケミカルほどではないがちょっと不自然なストーンウォッシュによるブルーが、なんともいえない春らしい軽さを醸し出しているじゃないか! 確か僕は中学2年生くらいまで「ロンドンスリム」をはいていたような気がするが、その他は未体験。40歳のオジサンには「ロンドンスリム」のピタピタ感はさすがにしんどいけれど、「イタリアンクラシック」「フレンチクラシック」あたりは、普通にオールデンやチャーチあたりの革靴に合いそうだ。さらに「スーパーニュートン」のボンタンシルエットなんて、真剣でセレクトショップにあったら買ってしまいそうだ。このあたりに今季の「マッキントッシュ×ヴェトモン」や「バーバリー」から出ている、ビッグシルエットのコートを合わせたら、さぞかし格好いいだろう。これぞ2017年のFDG(エフデジェ※わからない人は増田海治郎さんの『渋カジが、わたしを作った。 団塊ジュニア&渋谷発 ストリート・ファッションの歴史と変遷』(講談社)を買おうね)なのかもしれない!
ジーンズってどうしてもリーバイス史観が主流になってしまい、その他の傍流は忘れ去られてしまいがちだけれど、こういった時代の徒花的ジーンズだって、捨て難い魅力を放っていると思うのだ。どこかにこういう古着が売ってる店、ないかな?
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。