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美味しさ際立つマグカップバーバラ・クルーガーとボックスロゴ。

パンク・ロックで育ったボクとしてはこのバーバラ・クルーガーのアートワークは完全にツボで何かと集めてしまうのだ。このマグカップも10年前にニューヨークはチェルシーにあるサブカル・ZINE の総本山Shop「 Printed Matter 」で自分用に購入した物だが、気に入って使い過ぎて口の部分にヒビが入ってしまった。なので一時使用を中断している。カップの底を見ると The Museum of Contenporary Art Los Angeles とあるので、MOCAのお土産マグのようだ。やはり、このグラフィックはニューヨークで見ると一段と輝きを増す。ホントに女性作品とは思えない程の強さに満ち溢れている。それがなければ、このラジカルなアートは成立しない。
話は変わって、来季2017/18秋冬ファッション界最大のニュースと言えば、パリとボックスロゴのコラボラインだろう。ただマークを赤くしてくっつけた様な短絡的な物ではなく、全ては契約デザイナーの時代の空気感やサイズバランスを読む嗅覚&ストリート感覚の上に巧みに仕組まれたカッコよさであった。ただ、ボックスロゴの魅力ってそのゲリラ性で、最も広告力のあるモチーフに非公式に赤ボックスを貼付ける、この非公式プレーこそが最大のプレミアム感覚だったのだが、今回は公式だ。自分の過去に置き換えるなら、80年代、学校をサボって好きなハードコアパンクバンドのステッカーを北新宿のUKエジソンやウッドストック、新宿レコード等で調達し、ライブハウスのトイレのドアに貼っていたあの感じ。それが今では教育委員会公認でステージ上で貼って下さいと言われている様な照れくささがちょっとあるんだな。しかしこの出会いは時代が求めた必然なのであろう。
バーバラの産み出した社会をシニカルに風刺する戦う赤いロゴ。この2強のシェイクハンドはゼウスがもたらしたパンドラの箱なのか?ボックスロゴなだけに・・・。まあ、箱の底には希望が残る約束だから勿論心配は無用だ。
そうか! バーバラのマグカップの口元のヒビ、いっそのこと古伊万里の如く金継ぎで直そうかな? きっと今ならいつものストリートのコーヒーからラグジュアリーな香りが漂い出すに違いない。
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