最後に最も気に入っていながらむちゃくちゃイラつくディテールを1つ言わせて下さい。それはフードです。ただでさえ分厚い目付のスエット生地を2重使い、さらに90年代のものは巨大サイズなのだ。生地にコシがあるので耳のヨコでフードがピンと立つ。この見えがかりこそリバースウィーブの真骨頂であり、インターカレッジのキッズでありガスヴァンサントのエレファントなのだ。ここで首のゴン太なアメリカ人に聞きたい。着ているとフードの重みで首が締め付けられるんですがどうして誰も異議申し立てしないんですか?仕事中、後ろからアントニオ猪木がチョークスリーパーを決めにかかってくるんですけど、気にならないんですか?いつも人差し指で下に下げてなんとか呼吸してるんですが何十年も悔い改めないこだわりはどこから来てるんですか? 見た目はかわいいんだけどね。この時期ちょうどいいアンバイだしね。ホント不思議なスエットだ。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。