このパンツを初めてみた時には本当に驚いた。なんと外側の脇線がない！20代前半、服の病（やまい）の症状もそろそろピークを迎える頃だったので、不思議に思ったら先ずは購入、そして検証、後悔、または同じモノを徹底的に探す。このパンツを穿くこともなく、手放すこともなくずっと持っている。サイズが合わなくなったパンツを除けば殆どの服は長年着用する方だけど、このパンツだけは今だに上手く穿きこなせないでいる。ずっと日の目をみないまま数十年が経つが、2010年に檜舞台が待っていた。MOJITO の初回コレクションでリリースした闘牛士が穿くパンツをイメージし脇線の無いショートパンツ「 MATADOR SHORTS 」は、このパンツの構造でつくり、脇線に切れ目が入ることなく、総柄をプリントする事が出来たのである。イギリス軍のブロードアローが大好物な訳でもなく、不思議と魅かれて持っていた僕と同じ年生まれの古着が闘牛士と繋がりヘミングウェイに着地した。
本物の手品師は絶対にネタバラシをしないそうだ。

SALUTE LIFE!