最近の書籍や雑誌って、エディトリアルの技術は進化して痒いところに手が届くつくりなのですが、それゆえ小さくまとまっている気がしてなりません。逆に1970〜90年代半ばくらいまでの雑誌って、まったくもって読者に不親切なのですが、自由な発想とほとばしる主観が実に刺激的かつドリーミー。とても着られないような服でも、モノクロ写真でも、粒子が荒くても、唐突にポエムが挿入されていても、面白いんだからいいじゃねえか、というノリなんです。1980年代半ば頃の BRUTUS のファッション特大号『 STYLE BOOK 』なんて、ル ウォモ ヴォーグなんてぶっちぎって、現代から見ても世界一格好いいと思います。普通に編集ページでアルド・ファライあたりが写真を撮っていますからね!
(余談ですがかつて私の先輩エディターが80年代に某雑誌でアルド・ファライと仕事をしたことがあるそうで、撮影はウン百万円の現金取っ払いだったとか・・・!)
私の名誉にかけてパクリネタを探しているつもりは毛頭ありませんが(笑)、正直いって私もあんなところとか、こんなところとか、かなり影響を受けちゃっていることは、否定しようもない事実でございます。山下はどのへんをネタにしてんだ?と興味がある奇特な方は・・・古本屋でお探しください!!
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。