とりあえず、そもそもの “宮崎焼酎のハナシ” をしよう。でもこれから書かせていただくのは、宮崎の焼酎呑みとして生まれ育った私自身の主観でしかない事をお許し頂きたい・・・。
宮崎で「酒」といえば日本酒でなく焼酎の事を指す。それは大体において芋焼酎であり、多くの人にとってそれは『霧島』だ。もちろん他にも素晴らしい銘柄はたくさんあるが、てげてげに保守的な(「てげてげ」=大体、いい加減)宮崎人は、新しいモノを拒みはしないがとりあえず現状維持を好む傾向があり、『黒霧島』のヒット以降も多くの人が『(白)霧島』を呑み続けている。呑み方としては、「ロックよりお湯割り」を主張する者が多い。芋焼酎独特の風味を堪能するにはやはりお湯割りが一番で、お湯の入ったグラスに “シロキリ” を注いだその瞬間、芋の香りがフワっと湧き上がるのは、宮崎の焼酎好きにとってまさに至福である。「20度」という強すぎない独特のアルコール度数を愛し、のんびりとリラックスしながら呑み語らう「だれやみ」のスタイルは、この県におけるスタンダードな晩酌だ。
しかしそれらは全て一世代前のハナシだったのかもしれない。今夏の帰省により、新たな動きと現実を知ったのだった。馴染みの “もも焼き店”(骨付き鳥もも肉の炭火焼の店)に行った際、飛び交う「クロキリをロックで!」の声。若者中心っぽいが、“クロキリロック” の全国的人気は地元宮崎でも確実に影響しているようだ。そして、実家近くの老舗酒屋の店主から聞いた更に新しい展開。これまでその店での焼酎人気のおよそ9割が『霧島』および『黒霧島』だったのが、前述の『木挽 BLUE 』のおかげでその勢力図が大きく変動しているとの事。『日向木挽』は『そば焼酎 雲海』で知られる雲海酒造の芋焼酎であり、これまでも人気の銘柄ではあったがやはり『霧島』には及ばなかった。しかし今回の『木挽 BLUE 』が大ヒット、今では “霧島派” と “木挽派” が拮抗するほどだとか。
『日向木挽 BLUE 』は宮崎県日向灘から採取した独自の酵母から造り上げたもので、商品名と同じく青のパッケージ。その「BLUE」のイメージ通り、とにかくスッキリ爽やかな口当たりだ。かといって芋の風味が極端に損なわれているわけでもなく、宮崎でうけているのも納得の味。お湯割りよりも是非ロックで呑むべきで、「クロキリをロックで」の流れの最先端にあるものと言えよう。
今回のグラスは、その酒屋さんから譲っていただいた『木挽』のオリジナルグラス。グラスの形状としてやはりロック仕様。そういえばかなり昔に実家にあった『霧島』のオリジナルグラスは、お湯割り向けの縦長タンブラーだったなあ。今「焼酎 グラス」で検索するとほとんどがロックグラス。「ロクヨン」のお湯割りで名を馳せた『白波』の薩摩酒造(鹿児島)も、いまのイチオシは『黒白波』で、米倉涼子さんがロックグラスを手に大々的にPR中。この “ロック焼酎バトル” 、これからも更に加熱の予感です。
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