それはさておき僕の場合、①布施明みたいな1970年代後半のN.Y.トラッド ②1980年代後半のアルマーニスタイル ③1990年代後半のフレンチトラッド リバイバル……と、3つのスタイルを並行して追いかけているのだが、最近マグニフで購入した『MEN‘S CLUB』の1990年10月号を見て以来、第四の選択肢として「バブリートラッド」にも強く惹かれている。「バブリートラッド」とは僕の造語で、当時一大ブームであったジョルジオ・アルマーニなどのヨーロッパブランドから影響を受けた、トラッドスタイルのこと。本来は流行に左右されないからトラッドなんだけれど、やはり時代の気分は反映しないとモノが売れないわけで、現代の僕から見るとルーズなシルエットや、ソフトな素材使い、華やかな中間色といった要素を取り入れて、けっこう浮ついたスタイルを提案しているのである。
なかでも一番ほしくなったのが、このキルティングのダッフルコート。今までキルティングといえばラベンハムくらいしかイメージできなかったけれど、1990年代はこういったモノのバリエーションがとても幅広くて、イタリアでは「トランプタート」と呼ばれていたのだという。曰く「90年型アングロの代表となるのがトランプタートだ」「ミラノで人気のトランプタートがこの秋日本にも本格的に上陸してきた」とのこと。今はこういうの世の中に全くないけれど、だからこそなんとなく、リバイバルの予感、大。言葉の響きもキャッチーだし。ラベンハムあたりでピーチスキンを使ったら、すっごくいいモノができるんじゃないかなあ? 数年以内にどこかのブランドから登場したら、この記事のことを思い出してください!
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。