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2018年秋冬、注目のファッション -内在する普遍性-赤い靴

2018年秋冬に注目のファッションアイテムは?と聞かれて即座に出てこない。「なんだ!貴様、服屋だろ!」と言われてしまいそうだが、実はその逆で。流行を浴びすぎたせいで「メディアやデザイナーが推すものも素直に新しいとは感じられない」のだ。あらゆるジャンルでトレンドがクロスオーバーした結果、ハイファッションもストリートも男も女も、みんなが親友とまではいかない程度の薄~い友情関係にある。「知ってる~」「見たことある~」「カッコいいよね~」というSNS的な希薄さで以て物事の表層を上滑りし続けた末の現代病。………などと、嘆く向きもワカル。情報化社会だしね。しかし!違う。それは違うゾ!小津映画で言うところの「ホントに新しいってことは決して古くならないってことなのヨ」や、大江健三郎など私小説で言うところの「最も個人的なものは、最も普遍的なものである」などを参照するならば、自分が昔から好きなことを変わらずやり続けることこそ新しい(古くならない)し、一定数の市民権を得るのである。Rick Owens のコレクションを見る度に「相変わらず汚くて美しくて新しい」と思う。つまり2018年秋冬、注目に値するファッションアイテムは「自分が好きなもの」。で、僕が昔から本能的に好きなのが赤いアイテム。16才で初めて買った L.L bean のバッグも赤。19才で初めて買った John Smedley のタートルネックも赤。ゴダールの赤。ウィリアム・クラインの赤。ケ・ブランリ美術館の赤。居酒屋で見かけるとつい頼んでしまう赤いウインナー。赤いタンバリンを上手に打つあの娘。15年以上前に買った PREMIATA のカンガルー革の赤いブーツを久々に履いて「ちょっと新しくない?これ」なんて。赤い舌出しながらこの秋冬も勝手にやってます。