しかしこんなご時世でも、日本のセレクトショップや百貨店じゃなかなか手に入らないものって、まだあるんです。それは究極にシンプルな、無地で純白のリネン製ハンカチ。それもポケットに挿すための高級品ではなく、汗をガシガシ拭える実用品です。
イタリアではそういった類のものは主に下着屋さんで商っているのですが、なかでも私が出張の際に絶対に寄るとっておきのお店が、フィレンツェ中心地にある、1895年創業の老舗「 QUERCIOLI & LUCHERINI 」。ここは日本ではもはや姿を消してしまった、カウンタースタイルのお店です。店員さんに片言のイタリア語で「ファッツォレット(ハンカチ)、ビアンコ(白)、リーノ(麻)!」と注文すると、棚から真っ白く輝くハンカチのお出まし。値段は失念してしまったのですが、たしか12EU くらいだったかな? 縁のかがりが丁寧なのでスーツのポケットにも挿せそうですが、値段も安いしサイズも大きめなので、あえて汗拭き用と割り切って惜しみなく使い込んでいます。
1度に5枚くらい買ってしまうから、私のタンスの引き出しの中は、全く同じ純白のハンカチでいっぱい。アイロンをかけるたびに、フィレンツェの思い出がよみがえります。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
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90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。