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STORY

僕のやるべき仕事。


30歳から始めた自己のブランドSLOWGUN。だいたい日本のアパレルブランドって賞味期限10年って定説があるそうで、周りが飽きてしまうか、やっている当人が飽きてしまうか、このいずれかの要因で鮮度がなくなり、1つの役目を果たした・・・なんて言葉と共にその幕を閉じるのはよくある事。そんな中で倍の時間、生きることを許していただいた我がSLOWGUN。今は特殊オーダーメイドブランドとしてゲリラ的に活動させていただいております。んで、心の主力部隊は?ってゆーとAUBERGEブランドに全身全霊を傾けております。人間30年、おんなじような古着を根掘り葉掘りほじくって、何かかっこいい切り口なないかなーとずーっと考えているとね、到達するもんなんです。かっこいいの最果てにある、ダメの極北にある・・・音楽だったらヴェルヴェットアンダーグラウンドかな?日本のジャックスかな?アルチザナル臭プンプンの理解不能な感じ。実験的でピュアですれっからしのダメな奴。それっていわゆるフレンチシックに近い概念。パリジャンのエスプリって奴ね。あーっ自分で言ってて流石に照れます・・。

フランス的かっこよさって圧倒的な勘違いを伴う自己愛だと思うんですよね。これが実はエスプリの正体で、とても解りにくい世界なんです。勝手な僕のイメージなんですが、このAmvaiメンバーの英介さんや鶴田さんもこのエスプリ迷宮を突き進んでいる勇者だと思うんです。あえて火中の栗を拾って食べてしまう強者達・・・・・
はい、ボクも負けじと創り上げたるこの1着、お値段なんと11マンエンのこのGジャン!受注60着を過ぎたところでドクターストップをかけました。縫う人が一人だから。パリコレのショーサンプルを一人で縫い上げる神の指先を持つ人にしか縫えないシロモノだから・・・ このジャケットは19世紀と20世紀の狭間に生まれた超フランス的な1着なんです。アマタのフレンチネタを嗜好するメンズブランドでも絶対にネタにしない複雑怪奇な1着なんです。パリ、アンヴァリッドにある軍事博物館に5時間籠もってようやくたどり着けた近代ミリタリーの起源的な1着。動画もついでに作っております。



元ジャックスのソロになってからのアルバムで『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』があります。まさに同じ心境です。この境地をご理解いただけた同志がこのコロナ禍で100名を超える勢いだった事は今後のボクのフェチ制作の上で心の支えとなる事でしょう。ありがとうございます!そしてありがとう、元ネタの1904年のムッシュBIL PITT !!

Manabu Kobayashi

Slowgun & Co President小林 学

1966年湘南・鵠沼生まれ。県立鎌倉高校卒業後、文化服装学院アパレルデザイン科入学。3年間ファッションの基礎を学ぶ。88年、卒業と同時にフランスへ遊学。パリとニースで古着と骨董、最新モードの試着に明け暮れる。今思えばこの91年までの3年間の体験がその後の人生を決定づけた。気の向くままに自分を知る人もほぼいない環境の中で趣味の世界に没頭できた事は大きかった。帰国後、南仏カルカッソンヌに本社のあるデニム、カジュアルウェアメーカーの企画として5年間活動。ヨーロッパでは日本製デニムの評価が高く、このジャンルであれば世界と互角に戦える事を痛感した。そこでデザイナーの職を辞して岡山の最新鋭の設備を持つデニム工場に就職。そこで3年間リアルな物作りを学ぶ。ここで古着全般の造詣に工場目線がプラスされた。岡山時代の後半は営業となって幾多のブランドのデニム企画生産に携わった。中でも97年ジルサンダーからの依頼でデニムを作り高い評価を得た。そして98年、満を持して自己のブランド「Slowgun & Co(スロウガン) / http://slowgun.jp 」をスタート。代官山の6畳4畳半のアパートから始まった。懐かしくて新しいを基本コンセプトに映画、音楽等のサブカルチャーとファッションをミックスした着心地の良いカジュアルウェアを提案し続け、現在は恵比寿に事務所を兼ね備えた直営店White*Slowgunがある。趣味は旅と食と買い物。