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STORY

トンガった靴

フレアパンツ、パタゴニア、フィッシングベスト、パンク、タイダイ、バケットハット、ヘルシーサンダル、激レアスニーカー、トランスペアレント、グランジ、グリッター、ジェンダーレス…。これらは全~部、僕の高校時代に流行ったものであり、ここ2~3年の間に、「90年代リバイバル」の名のもとに再び流行しているもの。このリバイバルから抜け出すのは非常に難しい。なぜって「90's=なんでもあり」から「これしかダメ」に削ることだから。2000年代には二人のカリスマ(トム・ブラウンとエディ・スリマン)が現れて「なんでもあり」を「アメリカントラッド」と「ロック」に二元化してくれた。そもそもこの2つは純血のユニフォームルック(アイビーとラモーンズ)なんだけど、しばらく経つうちに「ライダース+くるぶし丈パンツ+ウイングチップの素足履き」みたいな、もはや原型をとどめていないあやふやな「イイトコドリ」に変化、拡散、マジョリティになるあたりが日本人らしいか。そんなことを思いながら「そういえばプラットホームのコンバースはちっともリバイバルしねぇなぁ」と、12年前の厚底靴を履いてみた…。

これは数ヶ月前、某SNSに僕が投稿したもの。酔っ払って書いてる可能性が高いが、いま読み直してみても内容は「まぁ、そうだね」って感じなので、ここに転載してみた。で、この日僕が履いた「12年前の厚底靴」というのがコチラ。


ドイツ人シューズデザイナー、カテリーナ・カシュラ女史によるブランド、KASHURAのもの。2004年ごろから数年間、当店で取り扱っていたこのブランドはスタッフ以外にはあまり売れなかったけど、僕は写真の黒以外に白×黒のコンビも買ってよく履いていた。


厚底以外に、この靴のもうひとつのポイントは「爪先が尖っている」こと。ポインテッドトゥの靴は2019年の傾向でも確実にキテる感じがする。靴業界の重鎮、ウィリーの秋山氏(KASHURAを日本にディストリビュートしていたのも同氏)と半年前に話した時も「フレアパンツが出てきてるし、そろそろポインテッドトゥが本格的に復権しないんですかね?」「いや、そうなんだよ。メゾン系では既に出てきてるし。そう思って少し前からF.lli Giacomettiで地道にやってるんだけど、もうチョイ先かなぁ…」という感じだった。日本では1990年代後半の誤解されたクラシコブームの残骸として根強くサラリーマンの足元を飾っている「反り返るほどノーズが長いトンガリ靴」。ファッション的にリバイバルするにはまだちょっとだけ早い「今」こそ履こう!トンガリ靴。

Satoshi Tsuruta

International Gallery BEAMS Staff鶴田 啓

熊本県出身。1978年生まれ。1996年、大学進学を機に上京するも、法学部政治学科という専攻にまったく興味を持てず、飲食店でアルバイトをしながら洋服を買い漁る日々を過ごす。20歳の時に某セレクトショップでアルバイトを始め、洋服屋になることを決意。2000年、大学卒業後にビームス入社。新宿・ビームスジャパンのデザイナーズブランドを中心に扱うメンズフロア(当時)に配属となる。2004年、原宿・インターナショナルギャラリー ビームスへ異動し現在に至る。アシスタントショップマネージャーとして店舗運営にまつわる全てのことに従事しながら、商品企画、バイイングの一部補佐、VMD、イベント企画、オフィシャルサイトのブログ執筆まで手がける。ワードローブのモットーは「ビスポークのスーツからボロボロのジーンズまで」。趣味は音楽・映画・美術鑑賞、旅行、落語、酒場放浪、料理、服。二児の父。