

このレコードを築150年のアパルトマンで幾晩聴いたことだろうか?
ボロボロのTEPPAZポータブルプレイヤーに60年代の音源を乗せる。とたんに紙製ウーファーから歪みまくった当時の響きが部屋の空気を震わせる。
演じているのはヴォーカル・チェットベイカー、ギター・ケニーバレルの2人のみ。本来、ケニーバレルはハードバップなギタープレイヤー。それがソロプレイとなると、つま弾く音はまさに柔らかな水面。その海面スレスレをチェットの極甘ヴォイスが漂い広がる。
オーディオ界では『心地よい温泉に浸かっている感覚』とよく揶揄される夢の様な音空間。ハイエンドシステムが必ずしも正解とは限らない。あの部屋の空気が再現出来るわけではない。
今夜もTEPPAZノイズに包まれて、ゆっくりと、ゆっくりと・・・・。AM4:12 setagaya TOKYO


















