このレコードはホントに良く聴いた。溝が透ける程聴いた。ソウル・スターラーズ時代から撃たれるまでで一番好きな KEEN 時代の1st 。そして忘れられないどうでもいい思い出が1つ。
パリで知り合って交際にまで発展した日本人カップルが、ボクのアパートまで遊びに来てくれてカレーを作ろうということになり、映画アメリに出てくる八百屋、肉屋をまわって材料を買った。ルーは日本から送ってもらっていた秘蔵のバーモントカレーがあった。作り始めた時はまだ夕方前だったのにいい香りがし始める頃は夜になっていた。
仲良く調理する擬似夫婦に気を使いながら窓辺でこのレコードをエンドレスにかけるのがボクの仕事。名盤だなーと感心するのはボクだけで2人は2人の世界に行ったっきりだった。だから 今でもサム・クックのこれを聴くと何処からともなくカレーの香りが漂って来る。沈む夕日を眺めながらのエンディングの3曲、 So Long, Danny boy 、そして That lucky old sun も気付けば3周目だった。仲睦まじい疑似夫婦の背中、ボクと歪んだサムの歌声。バーモントカレーと1人DJ、そしてパリの夜景。ただそれだけの夜だった。(3枚目の写真はボクのピガールの部屋から撮影。日没直後の紺色の夜景。)
それと塊炭飴のお返しで、サムのくち元ヨコに HOLLYWOOD ガムの画像を貼っておきました。キオスクやスーパーのレジ横で売っているフランスで最もスタンダードなガム。歯磨き粉のようなその味は3分と持たない。ポケットに入れておくと銀紙が容赦なくくっついてくるのが特徴。それをきれいに取ってあげるのは彼氏の仕事。これもパリのスタンダード。




















