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STORY

あなたのそのジャケットも安島作品かもしれません。


ヴィンテージウェアを味わうと一言で言っても、どうしても輪郭をなぞったりディテールや付属の変遷を辿る事くらいが、まず入門者のできることなんです。その辺の初期段階をクリアすると次はシルエット、型紙の沼にハマるんです。ここまで来ると実は縫製仕様やボタン、ファスナーの類で時代判定をすることがフレンチヴィンテージではナンセンスであることに気付きます。
とってもいい加減なんです。ミルスペックや工業製品感覚がそこにはなく、御仕立てカルチャーの上に立ちながら軍服を縫うとこうなる的な虹色のバリエーションが存在することになるんです。となると何を基準に良し悪しを決めれば良いのか?沼に目指す灯台の灯はあるのか?水先案内人は誰なのか?これがフレンチヴィンテージウェアの迷宮を旅するってことなんです。
そしてその答えはいずれ分かってきます。型紙制作時に何を注入しようとしたかでおおよそ時代が見えてくるんです。流行りの癖の取り方とかダーツの向きとか。いわゆる男らしさの表現手法で歴史順が解り出すんです。その案内人こそが安島さん。ボクは30年お世話になっていてそう思います。anver前淵さんの飲み友達でもあります。

Manabu Kobayashi

Slowgun & Co President小林 学

1966年湘南・鵠沼生まれ。県立鎌倉高校卒業後、文化服装学院アパレルデザイン科入学。3年間ファッションの基礎を学ぶ。88年、卒業と同時にフランスへ遊学。パリとニースで古着と骨董、最新モードの試着に明け暮れる。今思えばこの91年までの3年間の体験がその後の人生を決定づけた。気の向くままに自分を知る人もほぼいない環境の中で趣味の世界に没頭できた事は大きかった。帰国後、南仏カルカッソンヌに本社のあるデニム、カジュアルウェアメーカーの企画として5年間活動。ヨーロッパでは日本製デニムの評価が高く、このジャンルであれば世界と互角に戦える事を痛感した。そこでデザイナーの職を辞して岡山の最新鋭の設備を持つデニム工場に就職。そこで3年間リアルな物作りを学ぶ。ここで古着全般の造詣に工場目線がプラスされた。岡山時代の後半は営業となって幾多のブランドのデニム企画生産に携わった。中でも97年ジルサンダーからの依頼でデニムを作り高い評価を得た。そして98年、満を持して自己のブランド「Slowgun & Co(スロウガン) / http://slowgun.jp 」をスタート。代官山の6畳4畳半のアパートから始まった。懐かしくて新しいを基本コンセプトに映画、音楽等のサブカルチャーとファッションをミックスした着心地の良いカジュアルウェアを提案し続け、現在は恵比寿に事務所を兼ね備えた直営店White*Slowgunがある。趣味は旅と食と買い物。