ヴィンテージウェアを味わうと一言で言っても、どうしても輪郭をなぞったりディテールや付属の変遷を辿る事くらいが、まず入門者のできることなんです。その辺の初期段階をクリアすると次はシルエット、型紙の沼にハマるんです。ここまで来ると実は縫製仕様やボタン、ファスナーの類で時代判定をすることがフレンチヴィンテージではナンセンスであることに気付きます。
とってもいい加減なんです。ミルスペックや工業製品感覚がそこにはなく、御仕立てカルチャーの上に立ちながら軍服を縫うとこうなる的な虹色のバリエーションが存在することになるんです。となると何を基準に良し悪しを決めれば良いのか?沼に目指す灯台の灯はあるのか?水先案内人は誰なのか?これがフレンチヴィンテージウェアの迷宮を旅するってことなんです。
そしてその答えはいずれ分かってきます。型紙制作時に何を注入しようとしたかでおおよそ時代が見えてくるんです。流行りの癖の取り方とかダーツの向きとか。いわゆる男らしさの表現手法で歴史順が解り出すんです。その案内人こそが安島さん。ボクは30年お世話になっていてそう思います。anver前淵さんの飲み友達でもあります。


















