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技がつまった、秋冬シャツMade In Franceのピジャマ・ネルシャツ。

基本的に1年中カットソーかニットで過ごす自分にとって、最も心地よいシャツとはネルシャツなのだ。たまにはキリッとしたブロードシャツにタイドアップして(ヴィンテージタイとかでね)1日を過ごしたくもなるのだが、120双糸位の生地だと何だか疲れるんですよねー。ネクタイするならやっぱりナポリ仕立ての襟芯のない、ふにゃふにゃシャツが性格に合っているようです。ネクタイを締めた時のちょっとやる気のない襟元の感じがイイんです。更にナポリもアメカジブームらしいし・・・。今回のお題は秋冬のシャツなので得意分野のネル生地に関して書かせていただきます。どうしてもネルですとアメリカ物になりがちですが、素材の面白さはフランスやドイツのネル生地のほうがマニアには気持ちイイんです。まず、色が独特で微妙に枯れていると言うか何とも言えない色、柄が豊富なんです。また、アメリカものでは60年代以降は一般的なディテールの物しかないんですが、フランス、ドイツ、北欧系の古着は80年代位になってもアメリカの1930年代にある様な縫製仕様が残ってたりするんですよね。で、グランドファーザーシャツなんて呼び名で超ロング丈だったりするので、いい具合に売れ残ってるんです。普通じゃ着れませんよね、着丈1Mのシャツって。写真のシャツは50年代??のフランス製のネル地で出来たパジャマです。トーンの差のある2色の糸を撚糸して杢調に仕上げる撚り杢という技術のネルで、フレンチ・テキスタイルではとても多く見つかるタイプです。杢って綿のわたの段階で色トーン違いをブレンドして織り糸を作るタイプと、この撚糸タイプの2種があります。アメリカでは撚糸の杢表現は何故かあまりありません。そして、着丈が長いくせに何故か袖丈が超短いこのフレンチシャツはボクの場合、大抵改造してしまいます。着丈を70センチくらいまでカットすると、後ろ見頃を30センチ近く切りますのでその生地で胸ポケットを作ったり、襟がかっこ悪かったら襟も作り替えます。基本、被りシャツなのでアメリカには無い不思議なネルシャツが出来上がるんです。もし、こんなディテールの備わった1930年代アメリカ製だったらとても高値で取引されるはずのヴィンテージディテール満載なパリのネルシャツ、穴場中の穴場ですよ。だって2,000円〜3,000円なんですもの。素敵なのに・・・。ジャン・ギャバンも着てそうだし。でも、日常着にするには改造が要るけどね・・・。