そんな時代を経て、今やどこのショップでも長襟のジョンスメドレーを扱うようになった2017年。しかしトレンドになってしまうと、それはそれで不満。ほかでは売っていないようなモノがほしくなってくる。
そんなときに、原宿にある行きつけのショップ「ブライスランズ」で出会ったのが、こちらのニットポロ。ブラウンとライトブルー、ベージュというちょっと変わった配色のボーダー柄や、前立てに飾られた4つのボタンは、クラシカルではあるが決してオッサン臭くはない。「 RUNABOUT 」というブランド名に見覚えはなかったが、 MADE IN USA で13,000円程度という手頃なプライスにも驚き、即購入した。早速家に持ち帰って素肌の上に試着してみると、おや、この肌触りは・・・。気になって製品表示をめくってみると、図星! やはりアクリル100%だった。
正直いって一瞬ちょっとがっかりしてしまったのだが、「リベラーノ&リベラーノ」でオーダーしたベージュのリネンスーツと合わせてみたところ、「これはこれでアリだな・・・」と思い直した。ジョンスメドレーであればどうしても英国くさくなるところ、こちらのニットポロの場合1930〜50年代の西海岸といった趣で、なかなかに粋なのだ。単なる安物とバカにするべからず。最近は化繊によって表現されるクラシック感に注目している。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。