リネンのシャツ生地を使った Tシャツなんて初めて見たから、最初はもの珍しさで買ってしまいました。しかし袖を通した瞬間から、その魅力の虜に。当たり前のことですが、真夏でも風通しがよく、とても涼しい。そして普通のカットソーの Tシャツとは違い身体にまとわりつかないから、そのラインが露わにならず、いつでもシャキッとした表情をキープできる点です。これが汗かきのメタボ中年にとってどれほど嬉しいことか、お分かりでしょうか!? まさか再び白い Tシャツを1枚で着られる日が来るなんて、思いませんでしたよ・・・。
そんな偶然の出会いをきっかけに、この Tシャツはもちろん、レギュラーカラーやバンドカラーといった、「マーガレット ハウエル」のリネンシャツを少しずつ集めるようになりました。いろいろ着用してみて実感したのは、その生地のクオリティの高さ。
いわゆるメゾンブランドや、クラシコ系のトップどころと比較しても、なんら引けをとることはありません。聞いてみたところシャツ生地のサプライヤーについては特に公表していないとのことですが、こちらのリネンは袖を通したとき身頃にできるドレープが、実に優雅なんです。ちなみにリネンシャツはドレープが命ですから、選ぶべきはちょっと大きめのサイズ。しかも着用するとき裾をパンツにタックインするとドレープが上半身にたまって、その魅力はさらに増すでしょう。
灼熱の真夏日を汗だくになって過ごしたあと、自宅に帰ってこの Tシャツを脱ぐと、リネン生地にどっぷりと刻まれた深いシワが、なんともいい味に育っています。さあ、これを潔く洗ってしまうか、もったいないからあえて洗わずに明日も着てしまうか・・・。私の真夏における、究極の選択といってもよいでしょう。
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