私の友人に、中込憲太郎さんというデザイナーさんがいる。この方、私も泣いて土下座するほどの「変態」。現在40代前半なのだが、30代前半にしてアルニスなどのフレンチメゾンやイタリアの有名どころでのビスポークを経験するなど、とんでもない服飾経験値を誇っている。そんな彼が2年前に、「コヒーレンス」というブランドを立ち上げた。それは往年ダンディの装いに影響を受けた、コートだけのブランドである。とくれば普通ヴィンテージのツイードとかフランネルなんかを想像するけれど、中込さんが選んだ生地は「ジャージ」。ポリエステル糸を限界まで高密度に打ち込んだ、日本製の生地だという。遠目に見るとゴム引きのようだし、触ってみてもバキバキで別にビヨンと伸びるわけでもないから、これがジャージとはわからない。よーく見ると化繊ならではの光沢感はあるのだが・・・。高級感といい、ハリ感といい、発色のよさといい、今までジャージ素材に抱いてきたイメージは、完全に覆された。運動音痴な僕でも、こんなジャージなら大歓迎だ。
値段が相当高価(15〜20万円)ということで懸念したのだが、このコート、相当売れているらしい。ジャージという生地にはまだまだ可能性がある! ちょっと季節外れなネタだけれど、セレクトショップでこちらのコートを見たら、ぜひ触ってみてほしい。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。