Fit in Passport に登録することで、あなたにフィットした情報や、Fit in Passport 会員限定のお得な情報をお届けします。

ページトップへ

男のカーディガンコーギ、三文文士のカーディガン

カーディガンを颯爽と着こなせる男は、ただ者ではない。以前インタビューした高橋幸宏さんは、トム・ブラウンのボタンダウンシャツの上に、白いラインの入ったグレーのカーディガンを着ていたのだが、その若々しいスタイルには、部屋着然としたルーズさなど微塵もなかった。画家の金子國義さんやミュージシャンの加藤和彦さんは、ド派手な柄ニットのカーディガンをよく着ていたものだが、そういったデカダンなムードにも憧れる。小山田圭吾さんが着ていたような、アニエスベーのスナップボタンカーディガンもほしかったなあ・・・。
しかし残念ながら僕のカーディガン姿には、スポーティな精悍さも、退廃の美も皆無。アニエスベーなんてヤバイくらいに似合わない。丸っこい体型と髪型、そして猫背のせいなのだろうか、生活感がぼたぼたと滴り落ちているようなのだ。どちらかというと僕が目指すべきは、文士路線のカーディガン姿かもしれない。たとえば映画『三丁目の夕日』の茶川先生のような・・・。というわけで現在僕が愛用しているのは、コーギバランタインのような、どっしりとしたメリノウール製のカーディガンである。特にコーギのアーガイル柄は、とてもしっかり編み立てられているから、ある程度着心地に緊張感があるのがいい。カシミアだと原稿執筆中に眠くなってしまうからね。それにしてもあまり本当はけっこう高価なのにそう見えないのは、喜ぶべきか、それとも悲しむべきか・・・。