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春色メンズファッションアイテム仏・ドーヴィル 春のカラフル ピクニック。

たしか89年の春、急にピクニックに行こうということで盛り上がり、たまたま当時車を持っていたのがパリで唯一の日本書籍店で働く J君で、その希望日がたまたま彼のお休みday と重なってトントン拍子に話が進んだ。後は行き先決定のみとなり、日帰り前提だったので J君オススメの北フランス、ノルマンディー地方の海辺のリゾート地ドーヴィルとなった。一応参加メンバーは5人。ボクはランチ係で当時かる~く流行っていたピタサンド(ジューイッシュのサンドイッチ、マレ地区はこればっかり)を作るべく近所のフェリックス・ポタン(今はなき幻のパリっぽいスーパー)で材料調達&明日の朝に備えた。ピクニックセットも籐でできたいわゆるフォートナム&メイソン風のヴィンテージセット持参で気分は最高潮であった。そして翌朝、バスティーユのプラスに集合した僕らはここで初の想定外に直面することとなる。ハザードを着けて僕らに接近、停止した J君の車は定員大人4名のモーリス・MINI であった。その場の雰囲気を悪くしないため、MINI の定員は日本では5人だ!と僕らは言い張る事に決めてギャンブル覚悟で北へ向け出発した。ドーヴィルといえば1912年シャネルがパリの帽子店をたたんで疎開し、初めて洋服のブティックを開いた北のリゾート地である。なのでボクの個人的な目的としてバスクTを買うと決め事をしていたのだ。海辺のリゾートだし。ココ・シャネルも思いっきりボーダー着てるし。そして軽い酸欠の車内は、しりとり昭和歌謡歌合戦と日本人として極めてスタンダードな時間の過ごし方で盛り上がり、あっと言う間に目的地へと到着した。ボクは暫しのフリータイム中にバスクTを求めて徘徊したものの、江ノ島級の土産物屋しかそこにはなかったが手ぶらよりマシと思い白地にブルーのボーダーを100フランで購入。その後サンドイッチを頬張りながら超満員 MINI はオンフルールの港を目指した。かわいいパステル色の町並みとヴィンテージな漁船が良い風情を醸している人気のスポットである。ホントにいい天気。パリじゃないフランス初体験だった当時22歳のボクはこのパステル色の建物、白黒ペンキの船、青空、海、そしてなんちゃってシャネルのボーダーTが春色の思い出として今でも脳裏に焼き付いているんです。帰路、J君はサークル状の交差点でおそそを犯しおまわりさんから生きたフランス語を学ぶこととなりました。5人乗ってたことも処罰なの?と聞いても人のいい J君は「大丈夫・大丈夫」としか言いませんでしたがお顔は真っ青でした。申し訳なさで赤面したボクら4人は罰金カンパを集めそっと座席にそれを置き、春のカラフルな日帰りピクニックは終了したのでした。

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