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男と女とチョコレートside B ドメスチョコ好きの男ってどうなのよ?

なんなのよ、あの男! せっかく用意したブルガリのチョコレート、手に取るなり「日本のチョコの方がホントは好きなんだよね」だなんてよくもシラフでアタシにそんなこと言えるわよね? カカオ中毒ステージ5の私に! 生まれた時からナショナル麻布スーパーマーケットが常用でリンツ、コートドール、トブラローネ、ミルカを未だに切らした事のない家系なのよ。ふざけないで! 今やアタシの興味は更にその上の世界のショコラティエ物よ。あなたの好きなドメス物ってミルク成分多めの子供向けにしか思えないわ。カカオの産地を鼻の奥で感じる事なんてあなたにはないでしょう! いい? 私の持論なんだけどチョコはね、甘さは舌で感じるの。そしてカカオは鼻で感じる物なのよ。ねえ、聞いてるの? だから1度渡したこのブルガリ、取り返してやったわ。いくらしたと思ってんのよ、ホントむかつくわ。あなたは甘党って聞いてたけどステージ5の私に比べれば子供みたいな物よ。いいわよ、この税込み¥5,100のイ・ドルチセット、イッキに食べるわよ。どうせ理解不能でしょうけどインプレッションだけは聞かせてあげる。じゃあピーカンナッツからよ。
ピーカンナッツ」 アタシがいままで食べて来たキング・オブ・豆菓子の麻布十番「豆源」のバリエーションを持ってしても未体験の味覚。衝撃的な歯触り。ゆっくり噛むとギリギリまで耐えるくせにある瞬間が来るとサクりと崩れるピーカンナッツ。カカオバターでローストし、十分香ばしさを引き出した後、キャラメルパウダーでコーティングし、さらに一瞬、和テイストにも感じ取れるシナモンパウダーをプラスしてフィニッシュよ。クルミほど脂質と風味が主張しないこのピーカンナッツ、2種のパウダーを身に纏った世界最強の味よ。
オランジェット」 一般的なオレンジピール(みかんの皮の甘露煮)に比べてオレンジピール部分が小さめ。チョコは極めて風味豊か。表面には砕いたカカオ豆がふりかけられ溶け行く食感とクリスピーさ、甘さと苦さの対極が楽しめる。オランジェットとして特に突出した何かがある訳ではないけど極めてバランスの良い、不思議と軽さのある食べ心地。程よい抑えめなチョコの甘さはオレンジピールを引き立てる。
レモンピール」オランジェットのレモン版。コーティングしているチョコレートもオレンジに比べて一角苦みを増した物を使用しているのはレモンとの相性のためかしら?こちらもレモンピール部分はやや小さめ。風味も良く苦さ、甘さのバランスは絶妙。総じてこの2種のピールチョコレートは大人の味ね。お酒にも合いそうよ。
まあこんなところね。あら嫌だ、¥5,100イッキ食いよ。30分持たなかったわ。最後に、フランス人のチョコ職人ってイケメン揃いなのよ! アタシも大人だからこれ以上は言わないけど・・。私はどん欲なインポート好きの甘党女。