しかしそんな僕でも、絶対に手放せない1本はあるんです。それがモンブランはマイスターシュトゥックシリーズの「モーツァルト」という小さなボールペン。直径たったの112mmなもんで手帳に挟んだり、スーツの胸ポケットに挿したりと持ち歩きに便利で、やらしいハナシですが人目に触れる機会が多いんです。そこそこ高級感があって洒落ているわりに、スーツからカジュアルまで合わせる洋服を選ばないってのも重要。ヴィスコンティのド迫力貴族趣味も魅力的ですが、アメトラっぽいグレーのスーツとかオックスフォードシャツに合わせると、ペンの高級感だけが悪目立ちするんですよね。
こいつの唯一の難点は、コンパクトでぱっと見フツウのペンに見えるもんだから、デスクの上に置いておくと近くの人が勝手に使ったまんま無意識に〝借りパク〟してしまうこと。僕はちゃんと見てるぞ!
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。