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AMVAR が選ぶ、「今」ちょうどいい Amvai Item - 2016年10月伝説のダッフル、または洋服における同窓会恋愛

小学5年生の頃から『あぶさん』を愛読するとともにナンバー別冊の『豪球列伝』『助っ人列伝』などを読破し、「いやー最近の野球選手は榎本喜八とかに較べるとスケールが小さくてやんなっちゃうね」などと嘆いていた(でも超運動音痴)、筋金入りのノスタルジー野郎こと私。30歳を超えて生活にある程度余裕が出てからは、青春時代の疑問やトラウマ、果たせなかったことを金で解決しようという、極めて後ろ暗い情熱に取り憑かれております。当時好きだった漫画やら CD を大量に蒐集したり、オザケンの復活ライブをアレしたり、そしてヴィンテージジーンズとか、当時ほしかったファションアイテムを買い漁ったり・・・。ちなみに今はアナログレコードプレーヤーの購入を検討中。さあ、笑ってやってください。そんな退廃的活動の末にようやく落札・・・いや、入手したのがこちらです。ほら、90年代を知るあなたなら誰もが見覚えあるはず。あの裏原キングが着用していた名作ダッフルを・・・!
当時これがほしくて夢にまで見て、同じ生地を使ってるというウワサの「インバーティア」というダッフルを探したのだけれど、ヘリンボーン生地のヤツはそれでも高くて買えなくて(確か7万円くらいしましたかねえ?)、2万3000円で無名のイギリス製メルトンダッフルを買ったんだよな・・・。しかも自転車に乗りまくってたら、1年で麻紐が全滅して着られなくなったんだよな・・・。などなど、これを見ていると大学生の頃の思い出(主にネガティブ)が走馬灯のように駆け巡ります。
と、ひとしきりノスタルジーを舐めまわしたうえで、現在のファッションエディターとしての目線でじっくりとこのダッフルを見てみると、やはり素晴らしい完成度に驚かされます。今や倒産してしまったというムーアブルックのヘリンボーン生地は、生地目がくっきり浮き出て実に美しい。トグルを留めているロープや、三角型のレザーによる洒脱な補強。ジャケットの上に羽織りやすいライニング。衿つきで、取り外し可能なフード。しかもすそには、ダッフルコートとしては相当珍しいスリットが入っているという凝りようです。シルエットはかなりゆったりめですが、それがまた最近の気分。6年前だったら、タイトにお直ししちゃってたかもしれませんから。
うーん、この気持ちはなんというか、同窓会で20年ぶりに会った初恋の女子が今でも超美人・・・というのに近いかもしれません。気持ち悪いですか?
しかし、これはもう焼けぼっくいに火がついたという状況なのでしょうか。次はもうひとつのアイコンダッフル、「ジェネラルリサーチ」のベルト付きのヤツにも興味津々です。