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着られない服70'sシティボーイのTシャツ。

私事だが、今年の夏で店が10周年を迎える。とにかくお客様に感謝!感謝!だけれども、感慨にふけるようなムードは全く無く、毎日毎日本当に忙しくさせていただいております・・・。ていうか、神保町の周りの古書店なんていったらその歴史はケタ違いなので、たった10年なんてまだまだ幼児、やっと立って歩き始めたくらいのものだ。

しかし過去を振り返る余裕はなくとも、レジの後ろを振り向けば、その年月に仕入れたモノが山となって残っている現実からは逃れられない。別に売れ残りの余剰在庫ではなく、買い取ったまま商品化が後回しになってしまっているモノの積み重ねだ。雑誌一冊一冊できる限りじっくり向き合うのが信条なので、仕入れの量に対して商品化のスピードがどうしても追っつかないのだ。

商品化に二の足を踏む理由は様々だが、そもそも本当に売ってしまっていいのかという悩ましいブツが結構ある。それは法律的にアヤシイとかじゃなく、恐らくは一度手放したら二度とこの手に戻らないのではないかというモノや、「売る」という手段よりも、もっと有効活用できるのではないかと思われるモノだったりする。このTシャツは、まさしくそういうモノのひとつ。ご存知、雑誌『POPEYE』のオリジナルTシャツ。70年代初期の編集メンバーよりお譲りいただいたものである。ラングラージャパン製で、ロゴはアメコミのやつじゃなく堀内誠一センセイのだから間違いなく平凡出版特製。光り輝く “あこがれのアメリカ” の海と山と街の熱気をいっぱいに吸い込んだ、70sシティボーイ 魂のTシャツなのだ。サイズ的な問題でなく、自分なんぞが決して袖を通すわけにはいかないシロモノである。

しかし、店の奥に眠っているポパイグッズはこれだけでは無い。日本のメンズマガジンの歴史を語る上で重要文化財に相当するレベルのブツから、何コレ?な珍品まで色々。ちょっとだけ紹介するけれども(2番目、3番目の画像)、これはまだそれらの一部。商品として販売するよりも、入場料をいただくタイプの商売ができるかも???店長から館長へ、果たしてそれって出世なの???・・・そうやって妄想していく間に、未商品化の山は更に大きく積みあがっていくのであった。