そんな理由で意外と気遣い屋の僕としては、この季節は「防水性」というより、「通気性」や「乾きやすさ」でワードローブを選ぶことが多くなる。たとえばウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケットなんて最高。防水性は別にないが、服の中に湿気がこもらないし、袖をまくれる仕様だから、蒸し暑い日でも快適。こいつにエルメス製のポリエステル製バケットハットをかぶっちゃえば、小雨程度だったら傘いらずである。ただし女性ウケは極めて悪く、このスタイルで大好物であるタピオカミルクティーの行列に並んだりすると、アイドルイベントに出動したら意外にも女子ファンが大部分を占めておりうろたえる中年ヲタク ……といったムードで場違い感が半端じゃない。結局のところ大量の冷や汗をかくことになるのだった。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。