私がジルサンダージーンズの企画をお手伝いさせていただいたのがちょうどこの時期。打ち合わせが湖のほとりのホテルのスイート、などというバブルな良き時代、良い勉強をさせていただきました。そんな時代背景の頃、とある雑誌の写真に目が釘付けとなったんです。ロンドンのストリートスナップで、イイ感じのモード関係者風のメンズが、旧西ドイツのカーゴパンツをサイドポケット下からカットオフしてさらりと穿いているだけの1枚。実はここで切るとちょうどひざ丈になり、もともとテーパードシルエットのつぼまり始めな位置だったりするのでシルエットが子供っぽくならなくてしっくりくるんです。
元々、太くもなく細くもない、取り柄のないシルエットの軍パンだったので、どうにかしてかっこ良くならないかなーという思いは世界共通だったんですね。故に速攻マネさせていただきました。
このカーゴ、色も独特でグレイッシュなカーキなんですよね。これがまた書き出しのブランド、ヘルムトラングを感じさせるんですよ、たかだか5000円位で。以来、シルエットがダメダメなパンツ程、カットオフしたら蘇るの法則は2016年の今日までつづくのでした。決め手はややテーパードパンツを狙うことかな。でも自分の意志で着丈にハサミを入れることはそこに己のイズムを世に問う行為なんです。『これ、古着なんでたまたま』などというエクスキューズはもはや存在しません。そのプレッシャーに勝てばブランドに頼らずともここまで出来ます的なバランスの良いお洒落さんの称号が手の中に。まさにゲームですね。また、このジャーマンカーゴのカットオフ写真は、着こなしの中に『ヌケ感』を盛り込むはしりだったのかもしれません。キメすぎないのにかっこいいは最上級テクって訳です。
2021年も、これまでにない状況が続いています。しかし、こんな時だからこそ、それぞれの楽しみを見つけていきたいところ。時代に左右されない、AMVARの自分的流行はこんな時代の指針になるかもしれません。
人目に触れない家の中でこそ、密かに楽しんでいるアイテム。AMVARたちが自分だけの楽しみとしているアイテムは、どんなものなのでしょうか。
家で時間があるときに、手入れしておきたいアイテム。AMVARたちは、どんなものを手入れして過ごしているのでしょうか。
家時間が長くなるなか、家の片付けや衣替えをしたという方も多いと思います。AMVERの皆さんがそんな片付けのなかで見つけた懐かしいアイテムとは?