ボーダーシャツにグルカショーツを合わせたオジサンを描いた、洒脱なタッチと着こなしは、大変失礼ながら取材先のテーラーさんよりも印象に残っているほどです。ちょっと前まで方々の雑誌で書いていた「短パンは膝上5〜10㎝ が絶対」というトレンドのセオリーは、この絵を見た瞬間から、いともたやすく撤回(読者の皆様、申し訳ありません)! 帰国後早速股上が深くて丈の長いリアルなグルカショーツの捜索をかけ、値段が最も安くかった代官山の ReCollect という古着屋さんで購入しました。
そのダボッとしたシルエットは、私がはくと『おそ松くん』のデカパン、もしくは夕涼みのオッさんそのものなのですが、グルカショーツ最大の特徴である共生地のベルトが、野暮ったさを解消。格好いいけれどどこかダサいというか肩の力が抜けたそのムードは、ミドルエイジがはくべきショートパンツにはぴったりです。このグルカショーツに、20年ぶりに買ったセントジェームスのボーダーシャツを合わせて、ロレックスのバブルバック、JM ウエストンのアリゲーター製ローファー……。てな具合にコーディネートすれば、ほぼイラストそのままの着こなしが完成!
しかし私の場合、その前に少々減量が必要です。
というのも、巷で買えるグルカショーツはサイズの小さい個体がほとんどで、私のようなウエスト90㎝ を◯㎝ ほど超える男には、あまりフィットするモノはないのです。よく考えたらファットなグルカ兵なんて想像つかないですからね・・・。
というわけで短パンがはける4月から9月までだけダイエットに勤しみ、ようやくベルト穴ギリギリ位置をキープしているここ数年。アジャスタの位置そのものを変えたくなる衝動と、今まさに必死で戦っているところです!
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。