でも最近は、昔でいうとバランタインとかコーギーみたいな高級なカシミアはあまり売れないらしく、お店に並ぶのは軽くて薄手でコンパクトなヤツばかり。聞くところによると、あのコーギーも今やほぼマシンメイドで、複雑な柄のインターシャ編みはもうやっていないのだとか。つまり昔よくゴルフ場や不動産屋の伯父さんの家で見たヘンテコな柄(通称ジャンボ柄)のカシミアセーターは、ほぼ絶滅したのです。正直いってもらっても着たくないけれど、なくなるとなると寂しい限りですね。まあ、1万円以内でユニクロのカシミアニットを買える時代とあっちゃ仕方ないか・・・。
しかしちょっと前に購入したマフラーは、ひと味違う。上等なカシミアを袋状に使っているということは、使用量2倍! 巻いた時のドレープが全く違います。聞いてみるとなんと、なんでも古着のスコットランド製セーターをアーガイル状に分解して縫い合わせている1点ものなのだとか。4〜5万円くらいはしたけれど、それだけの価値はある暖かさです。さすがは日本最強最後の変態御用達ショップ、パーマネントモダン。こういう価値あるモノを末長くつくり続けてほしいですね。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。