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秋めくブーツ慣らし運転終了! トリッカーズのサイドゴアブーツ

10数年前、春夏号の靴特集でブーツを集めまくって、上司にこっぴどく怒られたことがある。その時私は初めて「あれ、世間的にはブーツって秋冬物だったの?」と気づいたのだ。そう、90年代初頭に流行ったエンジニアブーツから革靴に目覚めた僕にとって、ブーツとは疑うべくもなく通年モノなのである! タンクトップにリーバイス517という軽装も、つま先から鉄板が露出したエンジニアブーツが加わるだけでどっしりと風格あるアメカジスタイルになるし、ホワイトジーンズにポロシャツというさわやかカジュアルも、靴墨を使いすぎてゴキブリのように黒光りするサイドゴアブーツを合わせれば、いっぱしのモッズスタイルになる。そんな先人からの刷り込みのせいか、今でも足元をホワイトソールのスニーカーなんかで軽く見せるのは好きじゃない。男の足元は、重くてナンボ。履き込んだブーツこそが最高だと思っている。
いわゆるドレスクロージングの世界にどっぷり浸かってしまい、エンジニアブーツもロークのサイドゴアも履かなくなってしまった現在の僕だけれど、今もなおブーツは通年で愛用しており、中でも気に入っているのが以前ユニオンワークスで購入したトリッカーズのサイドゴアブーツである。もしも核戦争が勃発して地球が北斗の拳ワールドに突入したら、間違いなく僕はこの靴を履いて生きていくだろう。アッパーもソールも頑丈すぎて普通の履き方ではなかなか味が出なかったため、季節を問わず豪雨や雪の日、もしくはビーチや野山といったハードな場所での撮影日だけ履くようにして、ほぼノーケアで早8年間。ようやく満足のいく表情に育ってきた。ソールにこびりついた白い汚れは、函館の活火山「恵山」に登ったときの火山灰土だが、自ら落とすつもりはない。そろそろ慣らし運転は終わり。これからが履きどきだ。