いわゆるドレスクロージングの世界にどっぷり浸かってしまい、エンジニアブーツもロークのサイドゴアも履かなくなってしまった現在の僕だけれど、今もなおブーツは通年で愛用しており、中でも気に入っているのが以前ユニオンワークスで購入したトリッカーズのサイドゴアブーツである。もしも核戦争が勃発して地球が北斗の拳ワールドに突入したら、間違いなく僕はこの靴を履いて生きていくだろう。アッパーもソールも頑丈すぎて普通の履き方ではなかなか味が出なかったため、季節を問わず豪雨や雪の日、もしくはビーチや野山といったハードな場所での撮影日だけ履くようにして、ほぼノーケアで早8年間。ようやく満足のいく表情に育ってきた。ソールにこびりついた白い汚れは、函館の活火山「恵山」に登ったときの火山灰土だが、自ら落とすつもりはない。そろそろ慣らし運転は終わり。これからが履きどきだ。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。