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秋めくブーツ『FRYE HARNESS BOOTS』日本語名 フライのリングブーツ

先日、Amvai仲間の山下英介さんがボクの SLOWGUN & AUBERGE 展示会にご来社。ボクら AUBERGE チームは常にフレンチベースなプロダクトが基本なんですが、今回は次期トレンドの本命!?とウワサの『フレンチトラッド』について英介さんと大盛り上がりの90分となりました!ちょうど今話題の幻になりかけ英介さんコラム 『イヴ・モンタンのベージュM−65こそがパリ!』の編集裏話から始まる、実態の掴めないフレンチシックのお話フルコース、堪能いたしました。フレンチってどうしても人物が全面に出てしまい、日本人が好きな数値による着こなしルールみたいな分かり易ーいテキストが存在しないんですよね。そこが編集泣かせなのだと。だから伝えるのがすこぶる難しいんですよねー。分かります。そんなフレンチとボクとの昔話を1つ。
ボクの仏カルチャー実体験は1988年からのパリで、生活を始めた当時は猫も杓子もダブルのライダース全盛だったんです。当然足下は当然ブーツで・・・と思いきや、ここは実態の掴めないフレンチ、ブーツはブーツでもパラブーツのミカエル辺りのちょっとチロリアーンなユルい短靴を合わせているんです。渋カジ・アメカジにはない方法論。憧れや目標の無いコーディネイトですね。ただそこにあったから着た的な考え無しの脱力チョイスです。そしてデニムは黒の501でテキトーに履き古した感じのパリジャンを多くお見受けいたしましたっけ。なので、ボクら在仏日本人は、アメリカ人よりアメカジをこよなく愛する者として、違いの分かってる、ソウルブラザーなフランス人を探して蚤の市を徘徊いたしました。例えば表題のリングブーツと言えば FRYE でしょ?ってことで盛り上がれるような同士を求める旅といったところ。そしていざクリニャンクールの蚤の市へ。ハイハイ、見つかりました!有名なお店ですね、こちら。ブルーススプリングスティーンのようなオーナーの足下は、やはりリングブーツ。つま先を斧で切り落とされた様な独特のフォルム。この店でボクも買いました。同じ奴。写真の様な黒タグ70’Sでしたね。
その昔、FRYEのリングブーツを一躍有名にしたのは片岡義男さんのエッセイでバイクエッセイスト三好礼子さんが素敵に履きこなすリングブーツのくだりが MADE IN USA カタログ的で当時の兄貴達に銘品として刷り込まれているのでした。そんな日本の特殊事情を知る由もないクリニャンクールのブルーススプリングスティーンは独自の審美眼で FRYE をチョイス。この渋カジ感満載のリングブーツ、またそろそろ探してみようかなーなんて。フレンチっぽくイクならキメすぎず、磨かず、あっ、たまたまそこにあったから履いて来ちまいましたを装う周到さが肝要。そしていまならちょっとダサいオチをつけないとシャレにならないこのブーツはまさに諸刃の剣。この秋、あえて怪我してみるのも一興かと・・・。