わがままは男の罪、それを許さないのは女の罪。そんな歌がありましたね。大学時代の途中から洋服屋でバイトを始め、先輩の「スニーカーを履くようにレザーシューズを履くんだよ」という言葉を真に受けて以来、今でもあまりスニーカーを履かない僕です。なかでもハイテクの類いは過去にもほとんど履いたことがありません。上京した96年、渋谷の遊歩道でairmax95が5万円で売られていた時代にも、全くイイと思えませんでした。これまでの人生で履いてきたのはベーシックなものばかり。15歳のころにNB996、16歳でConverseワンスターレザーOX やadidasスーパースター、17歳でPUMAスエード、40歳の今年買ったのが白いキャンバスのKeds…。むしろ、ますますローテクになってきている気がします。基本的にスニーカーブランドのベーシックモデルばかりを選んできた僕ですが、唯一気に入って購入したファッションブランドの邪道モデル。それが Bernhard Willhelm の異形スニーカー。久々に箱から出してみましたが、蓋を開けた瞬間「うわっ…」と声が出てしまいそうなほど気持ち悪いルックス。購入したのは13、4年前か…。当時26歳の僕は個人的なベルリンブーム真っ只中でしたからアントワープ王立美術アカデミーを首席で卒業した、このドイツ人デザイナーをとても気に入っていたのです。ベルリン旅行にも履いていきました。しかも靴の代えを持たずに。ほら、このあたりからオカシイでしょ?コンセプチュアルというか、ベルリン風邪をコジラセてるでしょ?「旅先に一足だけ靴を持っていく」として、こんなキモチワルイのフツー履いていきます?ギリーシューズともブレーカーシューズともワカラナイ造形に靴ヒモがなぜか2本も付いているんですよ?しかもきしめんと伊勢うどんみたいなファットな極太麺、いやヒモが。若かった、何もかもが。あのスニーカーはもう捨てたかい?って。いや、捨てられないんですよね…。使い道はないけど思い入れがあるので…。服も靴もそんなんばっかり。自宅の収納場所を占領して。これはもう全面的に男の罪。オォ~。
REVIEW
手元で馴染んだオーダー品
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
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買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
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90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
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80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。
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